2001 Fiscal Year Annual Research Report
耐久性・変形予測のための建築要素内熱・水分場の解析に関する研究
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13650661
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
松本 衛 大阪産業大学, 工学部, 教授 (10031064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真奈美 大阪産業大学, 工学部, 講師 (90249780)
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Keywords | 凍結融解 / 含水、含氷率分布 / 非定常解析法 / 含湿変形 / 木材 / 核酸異方性 / 変形年変動 |
Research Abstract |
実施計画に基づき以下の研究を行った。 水分場の解析に関しては、すでに発表している凍結過程を含む基礎熱水分移動モデルについて、以下の検討を行った。境界温度が単位関数および周期変動の場合について、ALC壁体内の含水率、含氷率変動性状を数値解析し、すでに報告された実験結果と比較を行った。凍結継続型の場合には、含水率(含氷+含水)の最大値はO〜-2℃付近に生じ、凍害の生じるとされる実験結果とよい一意を示している。また凍結融解型についても、含氷率最大値の生じる位置はよく一致をしている。結果として、解析結果は含水、含氷の分布、変動性状とも実験結果と一致、整合し、提案モデルの適応妥当性を確認した。以上の結果より、提案している解析モデルは凍害予測に対して十分妥当であることが確認された。また多成分系の拡散モデルについてのモデル化の検討も行っている。 含水率変動に伴う変形予測については、主として木材について膨張係数の測定を平衡含水率と同時に測定し、基礎物性値を得た。さらに異方性を考慮した解析を行うために、その解析法について検討を行い、解析の方法を示した。これらを用いて、日射を含む外界気象条件下での高断熱壁体内の年間の熱水分変動の数値解析を2次元場について行い、其の変形性状と時間経過を調べ、変形の量、特性を明らかにした。結露の生じない壁体構造では変形の最大は冬期に生じその最大収縮量は2〜3%程度であった。また木材の異方性の影響を一様な場合と比較することにより検討を行い、異方性の考慮が、特に柾目材のについて必要であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Matsumoto, S.Hokoi, M.Hatano: "Model for simulation of freezing and thawing processes in building materials"Building and Environment. 36. 733-742 (2001)
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[Publications] 畑野, 鉾井, 松本: "ALC壁体における凍結・融解過程に関する研究"日本建築学会計画系論文集. 545. 23-28 (2001)
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[Publications] 鉾井, 松本 他3名: "建築壁体における凍結・融解過程に関する研究"日本建築学会環境工学委員会 熱シンポジウム第31回. 31. 9-16 (2001)
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[Publications] 西畑, 佐藤 他2名: "高断熱・高気密壁体の熱・湿気挙動解析(1)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 321-322 (2001)
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[Publications] 大石, 佐藤 他1名: "高断熱・高気密壁体の熱・湿気挙動解析(2)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 323-324 (2001)
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[Publications] 佐藤 他2名: "高断熱・高気密壁体の熱・湿気挙動の解析(3)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 325-326 (2001)