2002 Fiscal Year Annual Research Report
再資源化を目指した住宅用建築部品の耐用年数と初期所有機能との相対関係
Project/Area Number |
13650677
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
角田 誠 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (10180035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 発 東京理科大学, 工学部, 助手 (90328576)
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Keywords | 再資源化 / 建築部品 / 耐用年数 / メンテナンス / 機能向上 / 交換容易性 / ユニットバス |
Research Abstract |
資源循環型社会の構築において、廃棄物の発生抑制を第一義とし、建築を構成する様々な部品の耐久性、耐用性を高めることは極めて重要な考え方である。一方で、住宅用建築部品は居住者のニーズに対応可能な多機能化・高機能化が要求されるため、物理的な側面だけでなく機能的な側面も加味した耐用年数の延長の考え方が必要となる。 本研究では、(1)住宅用建築部品の廃棄実態を把握し、耐用年数設定の妥当性及びリユース・リサイクルの可能性を明らかにすること、(2)対象建築部品の廃棄理由を機能面から把握し、今後の機能向上レベル設定の考え方を整理すること、(3)リユース・リサイクルを中心とした建築部品の再資源化を効率的に運用するための、バージン部品における耐用年数と初期所有機能とのウエイトバランス、建築への組み込み方を導き出すこと、の3点を目的とし、住宅用建築部品のうちユニットバス(UB)を取り上げ、廃棄実態・廃棄理由調査、設定耐用年数調査、部品分解・交換容易性調査から、機能面における耐用性向上のための部品設計方法の要件を提示した。 成果として、居住者は物理的な耐用性低下だけでなく機能的な耐用性向上の理由で部品廃棄を行っているにもかかわらず、UBメーカーでは機能性向上部品の交換性についてほとん.ど検討していないこと、また居住者の交換要求は物理的耐用年数内でも頻繁に発生し、部品を含む建築空間全体の改善によって、より高くなること、さらに交換要求の高い機能部品と本体との一体度の強さやアフターメンテナンスの不徹底が、部品の廃棄に大きく影響していること、などが明らかとなった。以上より、部品を構成する主構造部分と部品の価値を具現する機能部分とを明確にわけた部品設計方法とともに、生産段階だけでなく使用段階、改修・廃棄段階までを含めた製造体系が、資源循環型社会における住宅用建築部品のあり方に不可欠であることを提示した。
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Research Products
(1 results)