2001 Fiscal Year Annual Research Report
地域公共図書館における開架フロアーのゾーニング手法に関する研究
Project/Area Number |
13650693
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
北岡 敏郎 有明工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (70132660)
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Keywords | 地域公共図書館 / 開架フロアー / ゾーニング / エリア / NDC / ポピュラーライブラリー / 利用人数 / 貸出冊数 |
Research Abstract |
研究の初年度は、一般的な図書館においても配架の仕方に工夫がなされ、ポピュラーライブラリーエリアの萌芽がすでにみてとれることを明らかにした。以下要点をまとめる。 1 一般書の構成割合:開架フロアーの蔵書構成(NDC類目)割合を書棚長さの割合でみると、各図書館ともほぼ共通しており、<9文学>が3〜4割を占め、ついで<3社会科学><7芸術>が1〜1.5割、く1歴史><5技術>が1割程度を占める。 2 一般書の配架の仕方:書籍はNDCの類目毎に書架1列を最小単位として、かつ、類目番号順に配架されやすい。これが基本的な配架原則である。その中で<9文学>は最も冊数が多く書架スペースを広く必要とするため、入り口の一番手前か最も奥に位置させる二通りがある。<0総記><1哲学><6産業><8語学>は書架1列程度で少なく、他の類目の配置を優先される。形態から<文庫>はまとめ、<9文学>から離れても入り口近くに位置させている。これらとは別に<2歴史><3社会科学><5技術><7芸術>は、類目順の配架原則を崩してでも他エリアや入り口からのアプローチと関連して配置させ、かつ、これらの類目相互の関連性も重視する傾向が窺え、<文庫>も含めて考えると本研究が提案するポピュラーライブラリーエリアの萌芽とみることができる。 3 類目毎の利用人数と貸出冊数:利用人数と貸出冊数の類目毎割合は各図書館とも共通しており、最も多いのが<9文学>、次いで<7芸術><5技術>である。基本的には書棚長さの割合とほぼ同様の傾向を示すが、<5技術>だけは書棚長さに較べ利用人数や貸出冊数割合がどの図書館でも多く、ポピュラーライブラリーを構成する中心類目になり得ることが判明した。
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