2002 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性型記憶合金の急冷凝固結晶界面制御と超磁歪発現
Project/Area Number |
13650709
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡崎 禎子 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10003328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
宮永 崇史 弘前大学, 理工学部, 助教授 (70209922)
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Keywords | 磁性形状記憶合金 / 液体急冷凝固法 / Co_2NiGa / Fe-Ga / Fe-29.6at%Pd / 微細柱状組織 / 超磁歪 |
Research Abstract |
本研究の目的は、急冷凝固法により形成されたマルテンサイト双晶の結晶界面を制御することにより磁場誘起による超磁歪の発現させることである。 1.今年度は発現した超磁歪の異方性を探るため、既に急冷凝固法により薄帯化に成功しているFe-29.6at%Pd磁性形状記憶合金の結晶界面の組織観察を行った。その結果、急冷凝固時に回転するロールに接触するcontact surfaceと非接触のfree surfaceで形成される組織が異なること。前者はロール痕が残り、微細なチル層より形成されているのに対して、後者は[100]に強く配勾した約2〜3μm粒径の微結晶からなり、その微結晶は膜厚と平行に柱状組織状に成長している。その内部は、更に、約50nmのマルテンサイト双晶が層をなし、柱状組織と平行に走っていることが判明した。これらの微細構造が超磁歪に方向依存性をもたらす原因であると考える。 2.Co_2NiGaおよびFe-Ga合金を急冷凝固法で薄帯化することにより大磁歪を発現することに成功した。前者はNi2MnGaと同じホイスラー構造を持つ強磁性体である。マルテンサイト双晶は350K〜400Kでオーステナイト相に変態するが、変態温度付近で大きな形状回復効果と磁歪を発現させた。一方、単結晶Fe-Ga合金は300ppmの大磁歪をもつことはClark等により報告されている。この合金を急冷凝固法の単一加工で多結晶薄帯化することにより〜200ppmの大磁歪を発現させた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 古屋 泰文: "急冷凝固Fe-Ga合金における大磁歪現象"日本金属学会. 66・9. 901-904 (2002)
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[Publications] 佐藤充孝: "新しいCoNiGa系ホイスラー型磁歪材料の開発"日本金属学会. 66・3. 147-150 (2002)
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[Publications] T.Kubota: "Large magnetostriction in rapid-solidification ferromagnetic shape memory Fe-Pd alloy"Mag. Mag. Mater.. 239. 551-553 (2002)
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[Publications] Y.Furuya: "Rapid-Solidification Effect on Magnetostriction in Iron-based Ferromagnetic Shape Memory Alloy"Mat. Res. Soc. Symop. Proc.. 703. 265-270 (2002)
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[Publications] T.Okazaki: "Ferromagnetic Shape Memory of Nanostructure Fe-Pd Alloy"Mat. Res. Soc. Symp. Proc.. (in press). (2003)
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[Publications] 岡崎禎子: "先端インテリジェント材料開発 鉄系磁性形状記憶合金"文部科学教育通信. No60. 28-29 (2002)