2003 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性型記憶合金の急冷凝固結晶界面制御と超磁歪発現
Project/Area Number |
13650709
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡崎 禎子 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10003328)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
宮永 崇史 弘前大学, 理工学部, 教授 (70209922)
|
Keywords | 急冷凝固法 / 超磁歪合金 / Fe-29.6at%Pd / Fe-15〜17at%Ga / Co_2NiGa / [100]集合組織 / Acoustic Elastometer / センサ / アクチュエータ素材 |
Research Abstract |
今年度の目的では開発された超磁歪合金Fe-29.6at%Pd,Fe-15〜17at%GaおよびCo_2NiGa薄膜の微細構造、特に柱状組織の結晶配向と磁歪の発現との関係を明らかにする。これまでの成果を研究会、学会および学術論文として発表することである。 1.Co_2NiGa系薄膜については、不明なマルテンサイト-オーステナイト相変態温度を明らかにした。 急冷凝固マルテンサイト双晶は急冷時に入った応力誘起マルテンサイト相とも考えられる。DSC測定から相変態温度の決定は不可能であった。変態温度付近では、弾性定数及びDampingの変化がおおきくなることを利用して、Acoustic Elastometerより各試料の変態温度は300〜450K範囲であることを決定できた。これらの結果は、磁化の温度依存性と良く一致した。 2.Fe-15〜17at%Ga薄膜については、微細柱状組織の結晶界面性格分布と磁歪の関係を調べた。 SEM/EBSP法で測定された(100)極点図から、as-spunおよび短時間熱処理した試料は、膜厚方向に沿って極の0°〜40°の範囲に微細結晶の[100]軸が配向する強い集合組織をもつことが判明した。膜厚方向の大きな磁歪はこの[100]集合組織と密接に関係した。 3.Fe-31.2at%Pdの単結晶は77Kで0.1%の可逆な巨大磁歪を発現するが、225K以上ではオーステナイト相となるため磁歪を失う。急冷凝固薄帯化されたFe-29.6at%Pdは、室温〜400Kに2段階の変態温度をもつため、生活環境温度で0.1%の超磁歪の発現が可能となった。Acoustic Elastometer法により室温付近と380〜450Kの2段階に相変態がおこることを確認した。高温のFCT-FCC変態は残留応力に起因すると考えられ、急冷凝固法特有のものである。また、応力下の磁歪測定より、Fe-29.6at%Pd薄帯は、10MPaの低応力下でのセンサ/アクチュエータ素材として有効であることが判明した。 4.今後は、これらの素材を用いたセンサ/アクチュエータのデバイス作製に取り組む予定である。 5.以上の結果を、2回の日本金属学会および5回の国際学会で発表、5本の論文にまとめて発表した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Teiko Okazaki: "Non-destructive Detectability of Phase Transformation and Stress-Damaged State of Ferromagnetic Shape Memory Fe-Pd Alloy for Health-Monitoring"Materials Research Society of Japan. 28. 667-670 (2003)
-
[Publications] Teiko Okazaki: "Large Magnetostriction of Fe-29.6at%Pd Alloy Ribbon under Tensil"Mater.Trans.JIM.. 44. 665-668 (2003)
-
[Publications] Mitutaka Sato, Teiko Okazaki: "Magnetostrictive and Shape Memory Properties of Heusler Type Co_2NiGa Alloy"Mater.Trans.JIM.. 44. 372-376 (2003)
-
[Publications] Cihiro Saito, Teiko Okazaki: "Microstructure and Magneto- storiction of Rapid -solidified Fe-15at%Ga Alloy"Mater.Trans.JIM.. 45. 193-198 (2004)
-
[Publications] Mitutaka Sato, Teiko Okazaki: "Phase Transformation and Magnetic Property of Heusler Type Co_2NiGa Alloys"Mater.Trans.JIM.. 45. 204-207 (2004)