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2002 Fiscal Year Annual Research Report

液体金属の固体金属中への高速浸透と液体金属脆化の多様性

Research Project

Project/Area Number 13650725
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

小泉 大一  明治大学, 理工学部, 教授 (60126050)

Keywords液体金属脆化 / 固体金属誘起脆化 / 粒界 / 高速浸透 / 粒界破壊 / 潜伏期間 / アルミニウム / ガリウム
Research Abstract

多結晶のアルミニウムに液体ガリウムを付着するとアルミニウムは延性を失い粒界破壊を起こす現象は、液体金属脆化の代表例である。これは、アルミニウムの粒界にガリウムが浸透することによっておきる。アルミニウム薄膜を用いて、ガリウムの粒界への浸透速度の温度依存を測定した結果、つぎのことがわかった。
1)温度の低下とともに浸透速度はわずかに低下する。ガリウムは過冷却しやすい金属であるが、融点(30℃)、アルミニウムとの共晶点温度(26℃)でも、不連続は見られない。
2)表面についているガリウムが固化しても、アルミニウムの粒界中への浸透は起きる。同じ温度で表面にいているのが液体の場合と比べ、速さは約1桁小さい。
多結晶アルミニウムの表面にガリウムを付着して行った引張試験では、
1)表面にガリウムをある程度の時間付着させておけば、引張時に表面のガリウムを取り除いても、アルミニウムの脆化は起きる。脆化がおきるまでの時間は、ガリウムの浸透速度にほぼ逆比例する。
2)ガリウムが液体の場合、表面のガリウムを取り除かないで、引張試験を行うと、脆化が起きるまでの時間は大幅に短縮される。
3)ガリウムが固体の場合、引張試験時に表面のガリウムが存在するか否かは、脆化を起こすまでの時間に影響を与えない。
以上のことから、ガリウムによるアルミニウムの脆化は、ガリウム原子の粒界への浸透によって起こり、引張応力下では、その速度が加速されるものと思われる。また、粒界にはいってしまったガリウムは、-50℃付近までアルミニウムを脆化することから、液体金属脆化では、ガリウム原子が粒界に入る過程が律速過程になっていることもわかった。ほかに液体金属脆化を起こす組み合わせは多く知られているが、すべての組み合わせて、浸透速度が律速しているかどうかはまだ明らかではない。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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