2003 Fiscal Year Annual Research Report
モルフォトロピック境界付近の組成を有する強誘電体での圧電性とヘテロ構造ゆらぎ
Project/Area Number |
13650726
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小山 泰正 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20150295)
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Keywords | モルォトロピック相境界 / PZT / 圧電性 / 強誘電分域 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
平成15年度では、Pb(Zr1-xTix)O3(PZT)に存在する強誘電相境界、すなわち(1)正方晶/単斜晶および単斜晶/菱面体晶相境界と(2)菱面体晶/不整合相境界について、その結晶学的特徴を透過型電子顕微鏡を用いて調べた。まず(1)の2つの相境界については、0.46£x£0.52組成を有するPZT試料の結晶学的特徴を調べることにより、その詳細を明らかにした。得られた実験結果の中で各温度での粉末X線回折曲線から、x=0.52試料の強誘電相は全温度域で正方晶、x=0.50と0.48試料においては、温度低下により正方晶→単斜晶相転移が生じることを確認した。一方、x=0.46試料での強誘電相の回折曲線上には、対称性の低下を示すピーク分裂等を見出すことは出来なかった。このことは、x=0.46試料の強誘電相が平均構造として擬立方晶系を有していることを示している。そこで、x=0.46試料を透過型電子顕微鏡を用いて調べたところ、電子回折図形中の回折斑点は分裂等を示さないものの、逆空間には、散漫散乱として回折斑点から方向に伸びるストリークが存在した。また、このストリークを含む回折斑点を用いて結像した暗視野像中には、筋状の複雑なコントラストが観察された。このことは、顕著な圧電性に関係して、x=0.46試料の強誘電相での分域構造がnmサイズの強誘電領域から成る特異なものであることを示している。 本研究では、(2)の菱面体晶/不整合相境界についても、その結晶学的特徴を調べた。その結果、単斜晶歪を有するフェリ強誘電相に加え、このフェリ強誘電相と強誘電相の二相からなる、特異な二相領域の存在を見出した。また、従来強誘電不整合相と呼ばれている不整合相も、その結晶構造中に含まれる原子変位から、フェリ強誘電体であることが結論された。
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[Publications] T.Asada, Y.Koyama: "La-induced conversion between the ferroelectric and antiferroelectric incommensurate phases in Pb1-xLax(Zr1-yTiy)O3"Physical Review B. in press. (2004)
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[Publications] T.ASADA, T.SUGAWARA, Y.KOYAMA: "Crystallographic features of ferroelectric domain structures in (Sr1-xBax)Bi2Ta2O9"Integrated Ferroelectrics. in press. (2004)
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[Publications] M.Arao, I.Ueno, T.Asada, Y.Koyama: "Crystallographic features in lightly-doped La1-xSrxMnO3"Physica C. in press. (2004)
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[Publications] M.Mogi, Y.Inoue, M.Arao, Y.Koyama: "Features of structural phase transition in La1-xSrFeO3"Physica C. 392-396. 295-299 (2003)
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[Publications] M.Arao, Y.Kouama: "Crystallographic features of RTiO3 (R : rare-earth ion)"Physica C. 300-305. 300-305 (2003)