2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650766
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 誠 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (40288428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80173889)
井村 徹 愛知工業大学, 工学部, 客員教授 (50022968)
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Keywords | マイクロトライボロジー / 走査プローブ顕微鏡 / シリコン単結晶 / マイクロ摩耗組織 / 格子欠陥 / 透過電子顕微鏡 / 金属ガラス / 硬質薄膜 |
Research Abstract |
1.Si単結晶のマイクロトライボロジーに関する特性と現象の解明 シリコン単結晶を試料として、マイクロトライボロジーなかでもマイクロ摩耗についての研究を行い、その特性や現象の解明を進めた。その際、原子間力顕微鏡(AFM)をマイクロ摩耗試験に有効に利用して、5μN〜200μNという微小な垂直力により生じる摩耗を精密に測定した。さらに、5μm×5μmの範囲に生じた深さ10nm程度の極めて微小な摩耗痕について、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することのできる新たな試料作製法を開発し、その組織の観察に成功した。以下が、得られた主な研究成果である。 (1)微小な垂直力を作用させて起こるマイクロ摩耗においては、摩耗深さは走査回数(摩擦距離)及び垂直力の増加に伴い増加することを明らかにした。 (2)シリコン単結晶のマイクロ摩耗は結晶方位に依存し、結晶方位<110>で最も大きく、次いで<100>、<112>の順になることを見出した。 (3)マイクロ摩耗で生じた極微小な摩耗痕の断面をTEM観察した結果、摩耗初期段階で生じる摩耗痕の表面及びエッジの隆起部に、小さな転位ループを含む格子欠陥の発生を観察し、それらの領域で塑性変形が起こったことを明らかにした。さらに摩耗が進行すると、深さ140nmに達するサイズの転位を含む数多くの格子欠陥が生じ、そのような格子欠陥の成長とその数の増加から、塑性変形領域が広がることを解明した。 2.金属ガラスの変形能に関する研究 Pt基金属ガラスについて、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてその場加熱引張観察を行った。その結果、過冷却液体領域及びその近傍の温度で、金属ガラスは過冷却液体の粘性流動による大きな塑性変形を生じ、高い変形能を有することを明らかにした。また、同様な温度で金属ガラスの硬度は著しく低下した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Makoto Takagi: "Deformation Behavior of Pt-based Metallic Glass at Elevated Temperatures"Materials Transactions. 43・10. 2463-2467 (2002)
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[Publications] Makoto Takagi: "Effect of Crystal Orientation on Microwear of Silicon Single Crystal and The Wear Structure"MRS 2002 Fall Meeting Abstracts. 545-546 (2002)