2001 Fiscal Year Annual Research Report
複合イオンビーム成膜装置を用いた高耐食性傾斜組成コーティングの作製
Project/Area Number |
13650772
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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Keywords | CrTa合金被覆 / イオンミキシング / スパッター蒸着 / 耐食性 |
Research Abstract |
今年度はニッケル基板上にCrTa合金コーティングをダイナミックイオンピームミキシング(DM)法での成膜を試み、その結晶構造および耐食性におよぼすミキシングの加速電圧ならびに基板の回転の影響を調べることを主な目的とした。 複合イオンビーム成膜装置(日本真空技術(株)社製)を用い、ニッケルおよびガラス基板上にCr-Ta合金膜を作製した、ターゲヅトとして直径50nmの純クロム、タンタルおよびニツケルを使用した。成膜室の圧力を1×10^<-6>Paまで排気し、Arイオンビームで試料表面をスパッタクリーニングした後、Mを約10nmスパッター蒸着した.さらに密着性を高めるため、M層をArイオンビームでミキシングした.その上にArイオンミキシングしながらCr-Taの組成が原子比で4:6になるようにCrおよびTaを同時にスパッター蒸着し、Cr-Ta合金を成膜した。なお膜組成が均一になるように一部の試料では基板を10rpmで回転させ成膜した。DMの有無にかかわらず膜の化学組成は原子%で37Cr63Taとなり、Ta量が少し増加したものの、ほぼ目標値に近い値を示した。作製した膜のX線回折測定からCr-Ta合金膜はDMあるいは基板の回転の有無にかかわらずアモルファス化していることがわかる。この結果は著者らが以前報告した通常のマグネトロンスパッターの結果と一致している。試料の断面のSEM観察をした。ところ、膜厚は約1.5nmで、平滑であり形態に製膜条件による大きな違いは認められなかった。ガラス表面にMの蒸着とミキシングを施した場合、ガラスとの界面近傍にボイドの形成がみられた。 CrTa合金膜を被覆したガラス基板を用いて、12MHCl中におけるアノード分極曲線を測定したところ、どの試料も自己不働態化しており、膜自体は優れた耐食性を示すことがうかがわれる。 今後、CrTa合金膜を被覆したニッケル基板を用い、被覆中のピンホール欠陥の評価を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Habazaki, T.Sato, A.Kawashima, K.Hashimoto: "Preparation of corrosion-resistant amorphous Ni-Cr-P-B bulk alloys containing molybdenum and tantalum"Mater. Sci. Eng... A304-306. 696-700 (2001)
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[Publications] A.Kawashima, H.Habazaki, K.Hashimoto: "Highly corrosion-resistant amorphous Ni-based amorphous alloys"Mater. Sci. Eng.. A304-306. 753-757 (2001)
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[Publications] Hiroshi Katagiri, Shinsaku Meguro, Michiaki Yamasaki, Hiroki Habazaki, Takeaki Sato, Asahi Kawashima, Katsuhiko Asami, Koji.Hashimoto: "Synergistic effect of three corrosion-resistant elements on corrosion resistance in concentrated hydrochloric acid"Corros. Sci.. 43. 171-182 (2001)
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[Publications] Hiroshi Katagiri, Shinsaku Meguro, Michiaki Yamasaki, Hiroki Habazaki, Takeaki Sato, Asahi Kawashima, Katsuhiko Asami, Koji.Hashimoto: "An attempt at preparation of corrosion-resistant bulk amorphous Ni-Cr-Ta-Mo-P-B alloys"Corros. Sci.. 43. 183-191 (2001)
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[Publications] Hiroki Habazaki, Tetsuo Matsui, Asahi Kawashima, Katsuhiko Asami Naokazu, Kumagai, Koji Hashimoto: "Nanaocrystalline manganese-molybdenum-tungsten oxide anodes for oxygen evolution in seawater analysis"Scripta Mater.. 44. 1659-1662 (2001)