2001 Fiscal Year Annual Research Report
アーク・電極系の統一モデルに基づくアーク溶接現象の理論的解析
Project/Area Number |
13650779
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牛尾 誠夫 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80029248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 学 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (20243272)
中田 一博 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (80112069)
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Keywords | タングステン電極 / アーク / 溶融池 / ティグ溶接 / 数値解析モデル / プラズマ温度 / レーザ計測 / シミュレーション |
Research Abstract |
アーク溶接技術は,我が国の将来の一翼を担うエネルギー,自動車,航空・宇宙産業等における構造物の「要」となる加工要素である.しかしながら,そのアーク溶接現象が未だ正確に理論的な取扱いをなされていないため,素材から製品に至る一貫した生産・品質管理システムを構築するための大きな阻害因子になっている.したがって,アーク溶接現象の理論的理解は,我が国そして世界の工業生産の知的化にとって最重要でありながら新世紀に残された重大な課題の一つである.本研究では,アーク溶接現象の鍵となる支配要素を抽出して,アークから溶融池にわたる統一された数値解析モデルを開発するとともに,そのモデルを用いてアーク溶接現象の理論的解析を行うことを目的としている. 本年度は,まず第一歩として,軸対称2次元の静止ティグ溶接の数値解析モデル化を試みた.Lowke博士(CSIRO,オーストラリア)によって構築された「タングステン陰極-アークプラズマ陽極(固体)」の統一モデルを拡張し,陽極において融点以上の温度領域では溶融池が形成されて対流熱輸送が発生するように工夫することによって,ひとまず「タングステン陰極-アークプラズマ溶融池」の統一モデル化を実現した.本計算モデルの結果と比較検討するために,アークプラズマに対してレーザ計測法を用いてプラズマの温度を計測した.その結果,実験結果と計算結果は非常に良い一致を示した.今後は溶融池における実験結果との比較が課題である.
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