2002 Fiscal Year Annual Research Report
高温発熱反応利用によるニオブアルミノシリサイド被覆と材料評価
Project/Area Number |
13650795
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松浦 清隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60142692)
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Keywords | 金属間化合物 / 被覆 / 燃焼合成 / ニオブ / アルミナイド / シリサイド / 耐酸化性 |
Research Abstract |
ニオブは2469℃というきわめて高い融点を持つので現状のニッケル基超合金では実現できない超高温環境での使用が期待できるが、一方でニオブは耐酸化性が劣るのでこれを克服しなければならない。アルミニウムやシリコンは高温で安定な酸化物を形成するので、ニオブの表面にこれらの化合物を被覆することは、ニオブの耐酸化性を向上させるための有効な方法になりうる。それゆえ、本研究では、ニオブ表面にニオブアルミナイドまたはニオブシリサイドまたはニオブアルミノシリサイドを被覆する方法を考案し、その実行可能性を実験的に調査し、さらには被覆材の特性評価を行うことを目的とした。 本研究では、ニオブ基材の表面上にアルミニウムまたはシリコンまたはアルミニウムーシリコン合金の板または小片を置き、その上からアークを照射した。雰囲気はアルゴンでシールドした。電極にはタングステンを用いた。電圧は200ボルト、電流は100アンペアとした。照射時間は最大10秒とした。照射後、冷却し、縦断面を観察した。 ニオブ基材表面上にアルミニウムを置いた場合、アーク照射によりアルミニウム板は直ちに溶融し、続いて基材のニオブも溶融した。両融液は混合し、ニオブ-アルミニウム系合金融液が発熱反応により生成し、アーク照射後にニオブアルミナイドとして凝固し、基材と強固に接合した。ニオブ基材表面上にアルミニウムを置いた場合も同様に、ニオブ-アルミニウム-シリコン三元系合金融液が発熱反応により生成し、基材と強固に接合した。これらの被覆層はきわめて優れた耐酸化性を示した。 以上のことから、本方法によるニオブ表面のニオブアルミナイドおよびニオブアルミノシリサイド被覆が実行可能であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小柳貴幸, 松浦清隆, 工藤昌行: "ニオブの耐酸化被覆における化学組成と微細組織の傾斜"2001年度傾斜機能材料論文集. 93-98 (2002)
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[Publications] 松浦清隆, 小柳貴幸: "アルミナイド系金属間化合物の反応性肉盛り溶接"大阪大学接合科学研究所共同研究報告. 175-176 (2002)
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[Publications] 松浦清隆, 小柳貴幸, 工藤昌行, 呉長桓, 桐原聡秀, 宮本欽生: "アルミナイド系金属間化合物の反応性被覆"鋳造工学. 75.2. 115-122 (2003)
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[Publications] K.Matsuura, T.Koyanagi, M.Kudoh: "Formation of Niobium Aluminide Layers on Niobium Plate by Arc Surface Alloying"Proc.FGM 2002. (印刷中). (2003)
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[Publications] K.Matsuura, T.Koyanagi, M.Kudoh: "Formation of Niobium Aluminide Layers on Niobium Plate by Arc Surface Alloying"Proc.FGM 2002. (印刷中). (2003)
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[Publications] 松浦清隆, 工藤昌行: "ニオブ表面のアルミナイド被覆"2002年度傾斜機能材料論文集. (印刷中). (2003)