2001 Fiscal Year Annual Research Report
不均質核生成の臨界過冷度制御 希土類カルコゲナイト粒子による機能性材料の生産工学
Project/Area Number |
13650797
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 敬治 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40312649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70323102)
溝口 庄三 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90311555)
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Keywords | 不均質核生成 / 触媒 / 臨界過冷度 / 初晶選択 / 界面自由エネルギー / Fe-Ni合金 |
Research Abstract |
本研究では不均質核生成の本質を明瞭にするために、触媒(核生成誘因物質/作用剤)によって誘発的に核生成された初晶の相違に注意を払いながら、実験的アプローチがなされた。工業用鋼では、Al_2O_3,Ti_2O_3およびTiNのような酸化物および窒化物が常に懸濁しており、凝固中、触媒として作用するかもしれない。こうして過飽和のためにAl_2O_3,Ti_2O_3およびTiNを含む純FeおよびFe-Ni合金の過冷度が系統的に測定された。 Al_2O_3,Ti_2O_3およびTiNを含む純FeおよびFe-Ni合金(Ni濃度:1から29mass%)におけるDSC熱解析において、いくつかの重要な特徴がわかった。まず触媒、化学組成および核生成された初晶の間の関係が明らかにされ、それから臨界過冷度が界面自由エネルギーの観点から議論された。 1.これらの合金における冷却中の非平衡相の出現は、化学組成(Ni濃度)だけでなく用いた触媒の種類に大きく依存し、3つ場合に分類される。(1)凝固がδ相の単相状態で終了し、それからδ/γ変態を通じてγ相が形成される;(2)δ相の初晶の晶出後、L+δ+γ相の3相共存状態が包晶反応を通じて形成され、凝固が終了した後、それはγ相を形成する;(3)凝固がγ相の単相状態で終了する。 2.不均質核生成過冷度に対する重要因子はcoSθ,すなわち界面自由エネルギーγ_<CL>、γ_<SC>およびγ_<LS>であることが明らかになった。特に大きな核生成能はより小さな臨界値の過冷度、すなわち1に近いcosθに対応する。このとき界面自由エネルギーに関し、γ_<CL>【approximately equal】γ_<LS>、γ_<SC>【approximately equal】0を満足する。これは触媒(C)と初晶固体(S)の構造類似を意味する。実際問題として、δ相の初晶において、TiNのみが核生成への触媒としての実効を持ち、そしてγ相の初晶において、それらのどれもを実効を持たなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.NakaJima: "Liquid-Solid Interface Free Energies for Metals"Proceedings of the International Conference on The Science of Casting and Solidification, Brasov, Romania. 9-14 (2001)
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[Publications] 中島敬治: "金属に対する液体-固体界面自由エネルギーと核生成"日本学術振興会製鋼19委員会凝固プロセス研究会提出資料 19委-11917,凝固プロセス-III-4. 1-19 (2001)