2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650817
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
船造 俊孝 中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影井 清一郎 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (20017966)
福澤 信一 中央大学, 理工学部, 教授 (50173331)
|
Keywords | 超臨界流体 / 相互拡散係数 / 二酸化炭素 / テイラー法 / 相関式 / 非定常応答法 / ベンゼン |
Research Abstract |
本年度はまず、これまで報告されている測定データの精度および本研究で用いる測定装置の健全性の検証を目的として、過去測定報告の多い、超臨界二酸化炭素中のベンゼンの相互拡散係数を測定した。これまでのベンゼン測定値は他の溶質と比べて、種々の相関式からの値より小さめであったが、本研究では、算出される拡散係数の波長依存性、応答強度の非線形性を明らかにし、ベンゼンのように鋭い吸収ピークを持つ溶質については、UV検出器の測定波長に大きく依存することを示した。過去の測定の波長選択は不適切であり、本測定でも間違った波長を用いれば、これまでの測定値とよく一致することを示した。そして、正しい波長により拡散係数を決定し直し、装置の健全性を確認した。 ベンゼンのような低分子量の溶質については、Taylor法では直接拡散管にインジェクターにより導入できるが、常温で固体あるいは高粘性である分子量の大きな溶質は導入できない。分子量の大きな溶質についての測定は非常に少なく、これらの測定報告では溶質を溶かした超臨界流体を拡散管に導入している。この場合、溶質濃度の調節が非常に難しく、また、測定されている分子量はそれほど大きくない。Taylor法では限界があり、より高精度の測定が可能な方法として、本研究では高分子薄膜を内壁にコーティングした拡散管を用いて、溶質を溶かした有機溶媒をトレーサーとして注入する非定常応答法を開発した。これは、有機溶媒と溶質は分配係数の違いから拡散管内で分離され、有機溶媒の影響を完全に排除できる。また、有機溶媒中の溶質濃度は適宜調節できるので、溶質濃度も一定に保てる。本年度、この高分子コーティングキャピラリーカラムを用いた非定常応答による測定を種々の溶質について行い、実験方法および理論を確立した。次年度は同方法を用いて、より大きな分子量の溶質について測定する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T. Funazukuri et. al.: "Infinite Dilution Binary Diffusion Coefficients of Benzene in Carbon Dioxide by the Taylor Dispersion Technique at Temperatures from 308.15 to 328.15k and Pressures from 6 to 30 MPa"International Journal of Thermophysics. 22. 1643-1660 (2001)
-
[Publications] T. Funazukuri et al.: "Measurements of binary diffusion coefficients for some low volatile compounds in supereritical carbon dioxide by input-output response technique with two diffusion columns connected in series"Fluid Phase Equilibria. (印刷中). (2002)
-
[Publications] T. Funazukuri.(分担): "Supercritical Fluids"Springer, Berlin. 446(172-206) (2001)