2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650819
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Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 康維 同志社大学, 工学部, 教授 (60127149)
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Keywords | ソノケミストリー / 超音波 / 微粒子生成 / 金コロイド / 金属微粒子 / 界面反応 / 粉体工学 / 溶液反応 |
Research Abstract |
21世紀の基盤技術の一つとして提案されているナノテクノロジーを推進する上で,重要な要素技術に超微粒子の調製方法がある。その新規な調製方法の中には,反応場を制御して機能性に優れた微粒子を調製する方法がある。この観点から,本研究では反応場に超音波エネルギーを加えて超微粒子を作成する新しい調製方法を検討した。特に均相溶液中での超微粒子調製におよぼす超音波エネルギーの影響を検討し,新しい超微粒子調製法の確立を目的とした。 本年度は,均相溶液中に,周波数20,200,600kHzの超音波を照射し,ソノケミカル反応を行った結果,次のような知見を得た。 1.反応を促進させるラジカルの発生源としてアルコールを用い,200kHzの超音波場で金および白金の超微粒子を作製した。溶液のpHが酸性あるいは中性では,アルコールの炭素鎖が長いほど反応は速く進んだ。一方,溶液が塩基性になると,炭素鎖数の小さい領域では酸性あるいは中性の場合と同様の傾向であったが,炭素鎖数の長いアルコールでは生成速度が極端に小さくなった。 2.大気圧下でも,アルゴン雰囲気下でも同様の傾向が得られ,溶存酸素の影響でないことを確認した。 3.超音波周波数を600kHzに変更しても,200kHzの結果と同様の結果を得た。しかし20kHzの超音波を使用すると,いずれのpHの溶液でも,炭素鎖の長いアルコールを添加するほど反応は速く進んだ。このことは,周波数によってソノケミストリーの作用機序が異なることを示唆しており,ラジカル発生に適するとされる数百kHzで得意な現象が見られることは興味深い。 4.反応速度が速いほど微粒子が生成するとは限らない。しかし長鎖のアルコールを使用する方が,安定な微粒子を得ることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasushige Mori: "Sonochemical Preparation of Gold Nanoparticles in Clay Solution"Transaction of Materials Research Society of Japan. 27巻・1号. 101-104 (2002)
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[Publications] Keitarou Nakamura: "Size Distribution Analysis of Colloidal Gold by Small Angle X-ray Scattering and Light Absorbance"Powder Technology. (in press). (2003)