2002 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒抽出法や液膜法を用いた石炭由来のキノリン,インドール等有用成分の分離プロセス
Project/Area Number |
13650826
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
江頭 竜一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90213529)
|
Keywords | コールタール / 吸収油 / 含窒素複素環式化合物 / 液液抽出 / 乳化液膜 / 液液平衡 / 逆抽出溶媒 / 分離性能向上 |
Research Abstract |
溶媒抽出法 液液平衡…前年度から引き続き,分離の基礎となる液液平衡関係の測定を行った。本年度は主に,1つの溶媒で2つの混合物を同時に分離する場合(詳細後述)を想定した平衡関係の測定を行った。 物質移動係数…実用上重要となる塔形式の液液接触装置における物質移動速度の測定を目的として,実験室規模の当該装置(解析の容易なスプレー塔)の設計を行い,作成中である。 分離計算…液液平衡の実測値を用いた分離計算により,還流を伴う向流多段接触装置における濃縮部,回収部での溶媒組成の制御による分離性能の向上について検討した。また,被分離混合物となりうる2つの混合物を互いの逆抽出溶媒としても用いて1つの溶媒による2つの混合物の同時分離についても分離計算により検討した。 液膜分離法 液液平衡…液膜の両側界面における平衡関係について,実際の分離操作中に起こりうる濃度範囲において,平衡関係を実測した。 支持液膜…支持液膜による透過実験により,本分離法により分離が可能であることを確認した。上記の平衡関係の実測値を用いて,支持液膜における物質移動係数を相関し,本分離法の透過機構をまとめた。またこれらの結果より分離性能を向上させる可能性のある溶媒を選定した。 乳化液膜…上記で選定された溶媒を用いて回分乳化液膜透過を行い,分離性能が向上することを実験的に確認した。 成果の公表,その他 上記の成果を国内の学会(化学工学会第35秋季大会)にて口頭発表した。また,タイ王国・チュラロンコン大学理学部食品工学科チッポン・プラディ講師を訪問し,現地でのコールタール留分分離について視察し討論した。
|