2001 Fiscal Year Annual Research Report
コロイド包括ゲル化反応を利用した新規除濁プロセスに関する研究
Project/Area Number |
13650835
|
Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
岩田 政司 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教授 (10151747)
|
Keywords | アルギン酸 / ゲル / コロイド / ベントナイト / PMMA / 固液分離 / 濾過 / 圧搾 |
Research Abstract |
本研究では,アルギン酸Naを難濾過性コロイド粒子懸濁液に添加し,これとゲル化剤であるカルシウム塩水溶液と混合することにより,コロイド粒子をアルギン酸カルシウムゲルの中に包括し,次いでコロイド包括ゲル懸濁液を重力脱水・圧搾脱水し,コロイド粒子を懸濁系から分離するプロセスを想定している。本年度は,コロイド包括ゲル化反応に及ぼす「環境因子」の影響について以下の3点を中心に検討した。 1.コロイドに2価金属イオンが共存する場合のコロイド包括ゲルの調製条件:2価金属イオンとしては,Caイオンを用いた。その結果,コロイド懸濁液中のアルギン酸Na濃度が2500ppm以下では,共存2価金属イオンの影響のため,コロイド包括ゲル化反応が不可能であった。また,アルギン酸Na濃度が20000ppm以上では,コロイド-アルギン酸混合液の調製が不可能であった。 2.単分散サブミクロン粒子のコロイド包括条件の検討:10000ppmのアルギン酸Na水溶液に懸濁した0.15μm,0.4μm,0.8μmの単分散球形PMMA粒子は完全にアルギン酸Caゲルに包括された。0.15μm PMMA粒子を包括するためのアルギン酸Na濃度は1000ppmであった。同様の検討をメジアン径2μmのベントナイト粒子を用いて行ったところ、ベントナイトを完全に包括するアルギン酸Na濃度は500ppmであった。 3.ゲル化速度の調査:アルギン酸Na液滴にCaイオンが拡散してアルギン酸Caゲルが形成されるわけであるが,ゲル中のCaイオンの見かけ拡散係数は液滴中のアルギン酸Na濃度が高くなるほど小さくなった。また,ベントナイト-アルギン酸Na混合液滴中のCaイオンの拡散係数は,液滴の組成に無関係で,無限希釈時の約1/2であった。
|