2001 Fiscal Year Annual Research Report
固相反応に対する触媒の添加効果:反応経路変換の詳細とその有効利用
Project/Area Number |
13650842
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 憲鐵 神戸大学, 理学部, 助教授 (70112076)
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Keywords | 流通系反応装置 / 固相反応 / VIII族金属媒体 / 酸化カルシウム / メタンの水蒸気改質 |
Research Abstract |
初年度の計画には、(i)流通系反応装置や(ii)in-situ IRセルの作成など、重点目標とした研究環境の整備に加え、既に予備実験を終えている触媒存在下での固相反応(酸化カルシウム+メタン+水蒸気)に関する(iii)速度論的な研究と(iv)最適触媒の探索を盛り込んでいた。 これらのうち、(i)については、流量調節器(科研費購入品)とガスクロマトグラフ(既設備品)を組み込んだ反応装置を完成させ、既に触媒の活性試験に利用している。しかし、当初計画していた質量分析計(既設備品)による気相分析には成功していない。これは、流通系から極少量の試料を分析部に導入するオリフィスの口径や高真空排気装置(科研費購入品)による差動排気の最適条件を見出せていないためである。解析の時間分解能を向上させるには質量分析計が不可欠であり、できるだけ早く完成させるよう努力する。一方、(ii)については、透過型セルの作成を終えている。又、(iii)と(iv)に記した酸化カルシウム-メタン・水蒸気系の反応に関する研究は、従来から使用している静止系反応装置を用いて行い、目標を上回る成果を上げることができた。即ち、触媒として貴金属が好適で特にRhとIrが高活性であること、同じVIII族金属でもNiは、担体の役割をしている固体反応物(酸化カルシウム)との強い相互作用のために酸化され易く、低温での反応には適さないことが判明した。その他、RhとIrを触媒とする反応について活性化エネルギーや反応次数等の基本的な速度論的データを収集し、その成果を研究発表欄に記載の学術論文に発表するとともに口頭でも報告した。
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Research Products
(1 results)