2003 Fiscal Year Annual Research Report
光合成の光化学系II(PSII)摸擬システムの構築に関する研究
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13650860
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松下 隆之 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20029127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 智弘 龍谷大学, 理工学部, 助手 (10330028)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / マンガンシッフ塩基錯体 / 両親媒性錯体 / 酸素発生 / 亜鉛クロリン / 自己集合体 / 人工光合成系 |
Research Abstract |
PSIIの構成は複雑かつ巧妙に仕組まれておりその詳細は未解明であったが、2001年に3.8Å、本年3月には3.5Åの精度でX線構造解析結果が報告され、全貌が明らかにされるようになってきた。反応中心において水を酸化分解し酸素を発生する、四核マンガンクラスターの構造や太陽光を捕集するアンテナクロロフィル集合体もその複雑な構造が解明されつつある。 本研究は光合成の光化学系II(PSII)の模擬システムを構築することを目的としている。すなわち、マンガンクラスターの機能と構造の両面からモデル化合物を合成し、それらによる酸素発生能を検討すること、ならびに光捕集アンテナクロロフィルのモデル系を作製し、最終的には両者を合体した、いわゆる人工光合成系の創製を目指して行ったものである。 まず、両親媒性マンガン(III)錯体がミセル形成による集積化によって、過酸化水素の分解を顕著に促進することを明らかにした。さらに、多核(三核)マンガン錯体の新規合成法も開発した。平成15年度においては、電子吸引性基(脂肪族エステル基)を芳香環に導入したシッフ塩基配位子を有する単核および二核マンガン(IV)錯体は、水を酸化し、酸素を発生することを電気化学的に確認することに成功した。現在、H_2^<18>Oを用いたマススペクトルによる^<18>O_2の検出に努めている。一方、Mg-クロロフィルのモデルとして、末端に親水基をもつ長鎖アルキル基を導入したZn-クロリン類は、レシチンを共存させることにより、水-有機溶媒系に可溶であり、それらの溶液の吸収、CDならびに蛍光スペクトルの強度がアルキル鎖長によって強く影響される。このことは、レシチンが構成するミセル内に最適なアルキル鎖長をもつZn-クロリンが適切な立体配置で集合体を形成しているためと結論した。この亜鉛クロリン集合体とマンガンモデル錯体を共存させ、光照射下、これらの間での電子移動と酸素発生にについて検討したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Negoro ら: "Preparation and characterization of dinuclear iron(III) and vanadiumu(IV) complexes with bridging salbn or salpentn ligands"J.Inorg.Biochem.. 96. 200-200 (2003)
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[Publications] T.Matsushita ら: "Preparation and characterization of manganese(III) and iron(III) complexes with Schiff base ligands and their reactions with active oxygen species(^1BuOOH, H_2O_2 and O_2)"J.Inorg.Biochem.. 96. 187-187 (2003)
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[Publications] S.K.Dey ら: "A novel dinuclear nickel(II) complex : spectroscopic and magnetic studies"Inorg.Chim.Acta. 357(5). 1517-1522 (2004)
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[Publications] S.K.Dey ら: "Crystal structure and magnetic Interactions in nickel(II) dibridged complexes formed by two azid groups or by both phenolate oxygen-azide, thiocyanate, carboxylate, or -cyanate groups"Inorg.Chem.. 43(7). 2427-2434 (2004)