2003 Fiscal Year Annual Research Report
カラー情報に基づくマルチチャンネル型匂いセンサに関する研究
Project/Area Number |
13650871
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大賀 一也 大分大学, 工学部, 教授 (60037992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉内 芳秋 大分大学, 工学部, 助手 (60117398)
井上 高教 大分大学, 工学部, 助教授 (40243969)
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Keywords | 匂いセンサ / カラー情報 / 光フアイバ / 有機高分子膜 / ゾルーゲル膜 / 柑橘類 / 色素 |
Research Abstract |
本研究は,カラー情報に基づく多チャンネル型光センシングシステムを構築し,そのシステムに匂いセンサとしての基本的機能をもたせることを目的としている。 フェノールフタレイン,メチルレッド,メチルオレンジ,チモールブルー,アリザリンイエローなどのpH指示薬やReichardtベタイン,Mnポルフィリンを含む有機高分子膜およびゾルーゲル法で調製したシリカゲル膜を光ファイバのクラッド部に製膜し,得られた感応色素付与光ファイバの応答特性を調べた。ほとんどの色素で基準臭としたメタノールガスに応答し,その中でフェノールフタレインが最も応答性(感度、可逆性)に優れていた。また,有機高分子膜と比較してゾルーゲル膜の方が応答の可逆性が得られた。応答速度もゾルーゲル膜の方が速く,分析ガスの膜中への拡散が迅速であるためと考えられた。さらに,ゾルーゲル膜の方が色素をより均一に製膜でき,膜の硬度も非常に高い。 実試料への応用も同時に行い,柑橘類の主要匂い成分である酢酸リナリルやリナロールに対する応答を検討した。6種類のpH指示薬それぞれを含んだ各高分子膜をシャーレ上に製膜し,それらの高分子膜に匂い成分ガスを接触させた。高分子膜のカラー画像をスキャナーを用いて取得し,得られた画像の色情報を赤,青,緑の3成分に分け,それぞれの色成分の変化量を図式化すると,各匂い成分に対して特徴的な図式が得られることが分かった。特にアリザリンイエロー含有高分子膜が大きく色変化したので,アリザリンイエロー含有高分子膜を固定化した光ファイバを作製し,白色ハロゲンランプを光源として用いて酢酸リナリルに対する応答特性を調査した。固定化高分子膜の膜厚を9μmに調製した光ファイバを測定に用いると吸収波長の変化が顕著に現れた。応答変化は約20minで終息した。
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