2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子内カチオン-π相互作用を利用する立体選択的付加反応
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13650901
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山田 眞二 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30183122)
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Keywords | カチオン-π相互作用 / meroquinen / 1,4-ジヒドロピリジン / ピペリジン誘導体 / 不斉付加反応 / 立体選択的反応 |
Research Abstract |
本研究では、近年、新しい分子間相互作用として、その重要性が認識されて来ているカチオン-π相互作用を、コンホメーション制御の新たな手法として利用することを検討している。今年度は、カチオン-π相互作用の合成的利用価値を示すため、本手法を利用する天然物であるmeroquinenの合成について検討を行った。 カチオン-π相互作用を利用することで、ケテンシリルアセタールのピリジニウムへの不斉付加反応を行ない、1,4-ジヒドロピリジンを立体選択的に得ることができた(90%de)。この不斉補助基をShwartz試薬で除去してアルデヒドに変換し、二重結合を水素添加により還元することでcis形のピペリジン誘導体を得ることができた。Wittig反応によりビニル基を導入し、ヒドロキシ基の保護基を脱保護したのち、酸化してカルボキシル基に変換することで、meroquinenの合成に成功した。一方、中間体の共役アルデヒドをヒドロシリル化することでシリルエノールエーテルに変換し、酸加水分解することで、トランス体のピペリジン誘導体を優先的に得ることができた。これにより、シス体、トランス体両方を合成することが可能となった。このことは、本合成法が種々のピペリジン誘導体の合成に応用できる可能性を示すものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Yamada, T.Misono, C.Morita, N.Nunami: "A novel one-pot, three-component reaction : formation of tricyclic 1,2-dihydropyridines via mesomeric betaines"Tetrahedron Lett.. 44. 7365-7367 (2003)
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[Publications] M.Sharfuddin, A.Narumi, Y.Iwai, K.Miyazawa, S.Yamada: "Lipase-catalized dynamic kinetic resolution of hemiacetals"Tetrahedron : Asymmetry. 14. 1581-1585 (2003)
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[Publications] P.Acharya, O.Plashkevych, C.Morita, S.Yamada: "Repertoire of Pyridinium-Phenyl-Methyl Cross-talk Through Cascade of Intermolecular Electrostatic Interactions"J.Ore.Chem.. 68. 1529-1528 (2003)
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[Publications] U.El-Ayaan, A.Paulovicova, S.Yamada, Y.Fukuda: "X-ray Crystal Structure of Bis[N-(2,6-diisopropylphenyl)imino] acenaphthene Ligand and Some Studies Including Its Copper(I) Complexes"J.Coord.Chem.. 56. 373-381 (2003)
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[Publications] 松本正勝, 山田眞二, 横沢勉: "21世紀の化学シリーズ、第二巻、「反応有機化学」"朝倉書店. 250 (2004)