2001 Fiscal Year Annual Research Report
水素移動過程を鍵とする反応活性種の創製と選択的複素環合成反応への展開
Project/Area Number |
13650905
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野口 三千彦 山口大学, 工学部, 教授 (10108772)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 晶子 山口大学, 工学部, 助手 (70144920)
山本 豪紀 山口大学, 工学部, 助教授 (70264116)
|
Keywords | 水素移動 / オキシム-ニトロン / ヒドラゾン-アゾメチンイミン / 1, 3-双極子環化付加 / 1-アミノジエン / キノジメタン / (4+2)環化付加反応 |
Research Abstract |
オキシム-ニトロンやヒドラゾン-アゾメチンイミン異性化に代表される熱的水素移動による1,3双極子の発生と分子間環化付加反応が非常に穏和な条件のもとで進行する系(4-オキソ-2-アミノ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-3-アルデヒド誘導体)を見い出した。一般に、1,3-双極子の発生はその平衡が一方的にオキシムやヒドラゾンへ偏っているため、分子内反応への応用しかなされていない。我々の系では分子内水素結合形成により中間に生成する双極子が安定化を受け、分子間反応を行える程平衡が双極子側へ移動しているものと判断している。生成したNH-ニトロンはマレンイミドとは環化付加反応を行いイソキサゾリジン体を与えたが、アセチレンジカルボン酸ジメチルとの反応では複素環部分での(2+2)環化付加ついで環開裂によりジアゾシン誘導体が生成した。一方、NH-アゾメチンイミンは多くのオレフィン性親双極子と反応しピラゾリジン体を与えた。このピラゾリジン体は酸で容易に開裂反応を起こし2-ピラゾリン体を与えた。これは、C-無置換ニトリルイミンと親双極子との反応生成物に対応しており、その合成化学的意義についても検討した。 分子内での水素結合形成はジエン生成でも平衡をジエン側に偏らせることが明らかになった。隣接位にメチル基をもつ複素環アルデヒドイミンは熱的な1,5-水素移動によりキノジメタン中間体を与えた。このジエンとオレフィン性親ジエン化合物との反応はエンド接近による環化付加体を選択的与えるが、反応はジエン成分によるMichael付加ついでアルドールタイプの環化によることが明かとなった。これらの結果はベンゾ縮合複素環化合物の新規な合成法の提案と考えている。
|
Research Products
(1 results)