2001 Fiscal Year Annual Research Report
シクロペンタノイドの新規合成法創出に必要な反応の開発及びその実践
Project/Area Number |
13650913
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 雄一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90153650)
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Keywords | シンクロペンテン-1, 3-ジオール / 炭素原子団の導入 / CH_2OHの導入 / Grignard試薬 / CuCN / シンクロペンタノイド / 12-oxo-PDAの合成 / エピジャスモン酸 |
Research Abstract |
シクロペンテン-1, 3-ジオールのモノアセテート(1)は両エナンチオマーとも簡単に入手できるためシクロペンタノイド合成の新しい出発物質として魅力的である。しかし、これに炭素原子団を導入する反応は数少なく,積極的にこのモノアセテートを出発物質にするには至らなかった。本研究ではこれらの状況を打破するため,当研究室で最近開発したRMgX/CuCN系試薬を用いて以下の2つの研究を行った。 初めにCH_2OHの導入を検討した。すなわち,i-PrO(Me)_2SiCH_2MgClに註目し,これをCuX存在下でモノアセテート1と反応させた。その結果,i-PrO(Me)_2SiCH_2の入ったtrans1, 4-異性体およびtrans1, 2-異性体を作り分ける条件を見いだした。これらの生成物をH_2O_2で処理するとCH_2OHを側鎖としてもつシクロペンタノンが効率よく合成できた。さらに,この反応生成物を脱離基に変え,2-置換ビニルアニオンと反応させると側鎖をアリール基に変換できた。これらの側鎖は従来合成困難であった。 次に,2つの側鎖がcis配置をとり従来法では合成困難であったエピジャスモン酸生合成の上流に位置する12-oxo-PDAの合成を行った。キー反応はモノアセテート1へのRMgX/CuCN系試薬を用いた(CH_2)_8OTBS基の導入。この反応は期待通りの選択性を示し,12-oxo-PDAの合成に成功した。この合成法は2つの側鎖がcis配置をとるその他のシクロペンタノイドの合成法に適用できると考えられる。
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