2002 Fiscal Year Annual Research Report
ケテンとアルデヒドのリビング交互共重合に基づくポリエステルの精密合成
Project/Area Number |
13650931
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
須藤 篤 近畿大学, 分子工学研究所, 講師 (20293053)
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Keywords | ケテン / アルデヒド / 交互共重合 / リビング重合 / アニオン重合 / エナンチオ選択 / 光学活性ビスオキサゾリン配位子 |
Research Abstract |
エチルフェニルケテンとシリル保護されたフェノール性水酸基を有するベンズアルデヒドのアニオン交互共重合を検討した。その結果、重合条件としてエチルフェニルケテンとメトキシベンズアルデヒドとの交互共重合における最適条件、すなわちテトラヒドロフラン中、塩化リチウムの存在下、ブチルリチウムを開始剤として用いることによって重合がリビング的に進行することが分かった。これにより、分子量の揃ったポリエステルが高収率で得られた。側鎖のシリル保護基は酢酸存在下でフッ化テトラブチルアンモニウムを作用させることにより主鎖の分解を伴うことなく脱保護でき、これによって側鎖にフェノール性水酸基を有し、なおかつ分子量の揃ったポリエステルが効率良く得られることが分かった。 また、エチルフェニルケテンとベンズアルデヒドの不斉アニオン交互共重合の開発を目指し、重合に対する窒素系光学活性配位子の添加効果を検討した。配位子として光学活性ジアミンであるスパルテインを添加した場合には、得られるポリエステルには全く光学活性が見られなかった。また、光学活性アミノアルコールから得られるアルキル連結型のビスオキサゾリン配位子を用いて重合を行った場合にも、得られるポリエステルの比旋光度は極めて小さく、ほとんど光学活性を示さなかった。一方、同じく光学活性アミノアルコールから得られるピリジン連結型のビスオキサゾリン配位子を用いて重合を行うと、得られるポリエステルは光学活性を示し、交互共重合がエナンチオ選択的に進行したことが分かった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nagai, D., Kuramoto, H., Sudo, A., Sanda.F., Endo, T.: "Novel Approach to Well-Defined Synthesis of a Polyester Bearing Phenol Moiety : Anionic Alternating Copolymerization of Ethylphenylketene with 4-(tert-Butyldimethylsilyloxy)benzaldehyde"Macromolecules. 35(16). 6419-6153 (2002)