2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650946
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山延 健 群馬大学, 工学部, 助教授 (40183983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 宏樹 群馬大学, 工学部, 助手 (70292620)
甲本 忠史 群馬大学, 工学部, 教授 (00016643)
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Keywords | 高分子材料 / 結晶化 / パルスNMR / モルフォロジー |
Research Abstract |
高分子材料の結晶化のリアルタイム解析法を開発するために本年度は下記のような結果を得た。 1.ポリブチレンナフタレートの非等温結晶化の機構を解析するために降温速度を変化させて融液の分子運動に関して検討した。降温速度が1℃/minの場合には2つのT_2成分が観測された。T_2の長い成分、短い成分ともに温度の降下に伴い減少したが、長い成分は280-270℃で急に減少し、その後、ある程度一定になり、240℃付近で更に急撃に減少した。それぞれの成分の割合は長い成分が約40%、短い成分が60%であった。これに対して、降温速度が0.1℃/minの場合には280-270℃でT_2の長い成分はほとんど変化せず、これより低温で徐々に減少した。2つの成分の割合は280-270℃で長い成分が急激に増加して約60%になり、短い成分が約40%と逆転した。これらの結果より、ポリブチレンナフタレートの非等温結晶化においてはナフタレン同志の相互作用が非常に強いため、280℃位の高温を長時間維持することによってはじめて熱履歴を消去することが出きることが明らかになった。そして、融液状態の運動性の高い成分がβ型結晶を成長させるのに重要な成分であることも明らかにした。 2.ポリビニリデンクロライド-ポリビニルクロライド共重合物結晶化挙動を明らかにするために、光学顕微鏡による球晶成長観察、パルスNMR測定、TEM観察を行った。可塑剤を加えると結晶加速度が遅くなり、結晶化温度が低温になることが明らかになった。ビニリデンクロライドの連鎖長が長くなるとラメラ厚が熱くなることが明らかになった。また、この系の共重合体では結晶が房状ミセルであることがわかった。 3.超高量ポリエチレンのの延伸+圧縮による単斜晶の生成について、延伸倍率の影響を検討した。延伸倍率は大きいほど単斜晶が多く生成することが明らかになった。 4.パルスNMRの温度制御を行うプログラムの改良を行った。
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Research Products
(1 results)