2001 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線吸収法による舶用ディーゼル微粒子濃度測定装置の開発
Project/Area Number |
13650969
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Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
藤田 浩嗣 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (60199338)
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Keywords | ディーゼル機関 / 微粒子濃度測定 / 光透過法 / 減衰係数 / 紫外線吸収法 |
Research Abstract |
排気中の微粒子(粒子径約10から300nm)の濃度測定において、光散乱理論における減衰係数の値は光の波長が小さいほど増大する。理論計算により減衰係数の特性を調べ、ディーゼル機関の排気微粒子に対する散乱関数内のパラメータの仮定と妥当性を検討した。減衰係数のデータ整理、排気微粒子に関する文献調査、粒子形状観察、質量濃度測定実験を行い、適切な測定方法と装置について検討中である。機関実験においては水蒸気の凝縮および観測窓の汚れがないことが必要であり、また、適当な光源出力、波長範囲ならびに測定光路長(約1.5m)を見出して測定装置を確立した。可視域および紫外域での排気による減衰率を測定してその定量性を確証した。A重油使用の小型高速機関(回転数2200rpm)の定常運転において、波長360nmで減衰率約74%、480nmで約56%、波長550nmで約58%であり、可視光線よりはむしろ紫外線を用いることによって減衰率が上がり、より低濃度の微粒子が測定可能になること、測定光路長が短くできること、安価で小型の水銀ランプを利用して測定装置の小型化が計れること等の利点を明らかにすることができた。次年度においては実用測定装置としての改善を試みるとともに、基礎的実験にも立ち返って、擬似微粒子として物性がある程度既知であるカーボン粒子の減衰率測定を行い、粒子径、屈折率および微粒子の化学成分の影響を検討する。また、排気中の他成分による減衰への影響等を各成分の単体標準ガスを用いて測定を行い、排気成分の干渉効果について検討する。
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