2002 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線吸収法による舶用ディーゼル微粒子濃度測定装置の開発
Project/Area Number |
13650969
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Research Institution | Kobe University of Mercantile Marine |
Principal Investigator |
藤田 浩嗣 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (60199338)
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Keywords | ディーゼル機関 / 微粒子 / 濃度測定 / 透過法 / 減衰係数 / 紫外線吸収 |
Research Abstract |
平成13年度から引き続き、平成14年度は測定部の改良、基礎的事項で不十分であったところの再実験による確認、理論減衰係数値と実測透過率との関係および成果の学会講演発表を行った。水分や油分ミストの影響を避けるため測定排気管の保温ならびに排気流動を改良し、光学窓のくもりや汚れの付着を無くした。物性が明らかであるポリスチレンの標準粒子について減衰係数の光散乱計算を行い、光吸収スペクトルの実験値と比較することによって減衰係数と透過率との関係を検証した。カーボンの標準粒子についてはマイクロメータサイズの大きさにおいて、粒子濃度と透過率との線形関係を実験により確認した。なお、粒子核が水によって覆われた場合の減衰係数を算出し、粒子の核に水分が凝縮して粒子径が増大した場合には、300nm径の大きさを越えると透過率が急激に減少して濃度測定は不可能になることを解明した。また、本測定装置の検定は、本方法による粒子個数濃度値とフィルター重量法による質量濃度値とを比較することで行うが、排気粒子のフィルタ重量測定法において、フィルター材質や粒子捕集条件が重量測定値に及ぼす影響について調べ、重量測定値の差異について考察した。粒子径分布と粒子の光学定数の設定が正しいとすると、本測定法はフィルター法に比べて優位な濃度測定装置であることがいえる。その他、データ取込、データ処理プログラム等のソフト的改良を伴い、ディーゼル機関の排気粒子濃度測定装置として確立させた。平成14年11月に開催された第68回日本マリンエンジニアリング学会学術講演会においてこれまでの研究成果を講演論文集にまとめ、口頭発表を行った。以後、実測データの蓄積、粒子径または粒子成分測定と組み合わせた測定装置への適用が考えられる。
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