2001 Fiscal Year Annual Research Report
石油貯留層シール能力の定量的評価に必要な岩盤破断現象に関するシミュレータの開発
Project/Area Number |
13650985
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 俊文 京都大学, 工学研究科, 教授 (10303851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 俊樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (50210935)
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Keywords | 石油貯留層 / 構造形成史 / 個別要素法 / テクトニクス / 数値シミュレーション / 破壊現象 |
Research Abstract |
構造型石油貯留層トラップに対するシール能力を定量的に評価するための断層形成のメカニズムやおよびそれに伴う褶曲構造等の構造形成史の解明は、石油鉱業上非常に重要な問題にもかかわらず未だ解決を見ていない。この問題に対する計算機シミュレーション技術によるアプローチとして、個別要素法(DEM)を用いたシミュレータを開発した。本年度は破断および破壊現象を再現できるシミュレータの開発を行った。開発されたシミュレータを使用し、以下の検討を行った。 ・圧縮応力場にある堆積層のシミュレーションにより衝上断層の形成が、また、引っ張り場においては正断層の形成が観察された。このシミュレーション結果は砂箱実験の結果とよく対応していることが確認された。これにより種々の応力状態下での堆積層の構造形成史のシミュレーションが可能となった。 ・テクトニクスの観点から、インド亜大陸とユーラシア大陸との衝突のシミュレーションを実施した。その結果、地質ブロックの移動や断層の形成、堆積盆地の形成などの特徴的な現象の発生をを確認することができた。このシミュレーション結果は過去に発表されている室内モデル実験の結果とよく一致ており、東南アジアのテクトニクスをよく説明することができた。したがって、テクトニクスの観点から石油貯留層の形成史を把握することが可能となった。 ・個別要素法を用いて弾性波動現象のシミュレーションを行った。従来のシミュレーション方法では複雑な取り扱いが必要であった破壊現象のシミュレーションを容易に行えることが明らかになった。一例として、衝撃波の端面での反射によって発生する引っ張り破壊現象(Hopkinson効果)のシミュレーションを行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Matsuoka, T.et al.: "Computer simulation for sandbox experiments"Expanded Abstract of the 71st Annual Meeting, SEG. (2001)
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[Publications] Wakatuki, Z., Matsuoka, T., Ashida, Y.: "Simulation of seismic waves and Hopkinson bar using discrete element method"Proceedings of the 14th KKNN Symposium on Civil Engineering. 545-549 (2001)
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[Publications] Matsuoka, T., Yamada, Y., Tamagawa, T., Ashida, Y.: "Computer simulation for sandbox experiments"EOS, Trans. AGU,. 82, 47. T31B-0843 (2001)
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[Publications] Yamada, T., Tanaka, A., Matsuoka, T.: "DEM simulation of indentation tectonics : Continental collision of Indo-Eurasia"Proceedings of the 6th International Symposium on Recent Advances in Explroration Geophysics. 28-32 (2001)
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[Publications] 松岡俊文, 若月然太郎, 芦田 譲: "個別要素法による弾性波動のシミュレーションと破壊現象への応用"第11回岩の力学国内シンポジウム講演論文集. E07 (2001)