2003 Fiscal Year Annual Research Report
アラビドプシスのゲノム情報を利用したBrassicaの連鎖地図作成と遺伝分析
Project/Area Number |
13660005
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡崎 桂一 新潟大学, 農学部, 助教授 (20270936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 浩司 タキイ種苗(株), 研究員(研究職)
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Keywords | ブラシカ / RFLP / 連鎖地図 / 花成 / バーナリジェーション |
Research Abstract |
本実験では、一年生ブロッコリー品種'グリーンコメット'×二年生キャベツ品種'麗峰のF2集団を用い連鎖地図を作成し、マッピング及びクローニングしたFLC、COと開花期QTLとの関連を調査した。 1.Brassica oleraceaでは、既報の3つのFLC遺伝子ホモログ(BoFLC1,3,5)が報告されているが、今回新しいFLC遺伝子ホモログを同定できBoFLC2とした。 2.157マーカーが座上し、15本の連鎖群を形成した(全長は1196.3cM)。マーカー数が少ない連鎖群を除くと主要な連鎖群は9本となった。これはB.olerecea(2n=18)から考えられる連鎖群数9本と等しい。この連鎖群には既報のシーケンスを元に43個の構造遺伝子がマッピングされた。 3.開花関連遺伝子は第1連鎖群にFLC5、CO、第2連鎖群にFLC1、FLC2、第6連鎖群にFLC3がマッピングされた。インターバルマッピング法によりにより閾値LOD3.0以上の開花期関連QTLは第2連鎖群に3ヶ所、第3連鎖群に1ヶ所、第5連鎖群に2ヶ所検出することができ、それぞれのQTLをFT1〜6とした。FT3はFLC2のほぼ真上にLODピークが検出されたことからFLC2は本実験のF2集団における開花変異に影響を及ぼしていると推測された。 4.本研究の結果、各研究者間でマップ情報の共有化が計れる構造遺伝子が乗ったB.oleraceaの連鎖地図を作成できた。またバーナリゼーション関連遺伝子FLCの新しいホモログ(BoFLC2)を同定するとともに、既報のFLCホモログを含め、全部で4個のFLCホモログをB.oleraceaゲノムへマップすることが出来た。これによって、開花期決定に効果的に働くFLCホモログと効果の小さいFLCホモログがることがわかった。本実験のマップ情報及びFLCの遺伝子マーカーはB.oleracea育種のマーカーアシストセレクションに極めて有効であると思われた。
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