2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能ゲノム学的手法によるバラ科果樹の自家不和合性花粉側因子の同定
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13660011
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐々 英徳 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (50295507)
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Keywords | 自家不和合性 / 雌ずい / 花粉 / RNase / コスミド / アーモンド / ナシ / バラ科 |
Research Abstract |
これまでにアーモンドScハプロタイプ領域約200kbp以上にわたってカバーするコスミドコンティグを構築した。この領域のハプロタイプ間での配列多様性をゲノミックサザンブロットによって比較し、花粉S遺伝子は、S-RNase遺伝子近傍の約70kbpの領域に存在する可能性が高いことを指摘した。 この約70kbpの領域の全塩基配列を決定するため、ショットガンシーケンスを行った。コスミドクローンを超音波処理して平均約2kbpの断片とし、プラスミドベクターに組み込んでショットガンライブラリーを構築した重複度約3でおよそのシーケンスを得た後、ギャップ部分の配列や不確定な領域を順次個別に解析し、最終的に完全な配列を決定した。決定された塩基配列をORF予測プログラムGene Scanにかけ、ORFの領域を推定した。その結果、この約70kbpの領域には12のORFの存在が推定された。それらのうち3つはレトロトランスポゾン様の配列であった。他の植物種においてもS遺伝子座領域にはレトロトランスポゾン様配列が多く存在することが知られており、レトロトランスポゾン様配列の存在は、S遺伝子座領域における組み換えの抑制に寄与している可能性が考えられた。またその他の推定されたORFの中には、既知の遺伝子と高い相同性を示すものはなかった。今後、これらの推定ORFが実際に発現しているかどうかを確認し、発現器官特異性、ハプロタイプ間の配列多様性などを解析していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ushijima, K. et al.: "Characterization of the S-locus region of almond (Prunus dulcis): analysis of a somaclonal mutant and cosmid contig for an S haplotype"GENETICS. 158. 379-386 (2001)
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[Publications] Oguchi, S. et al.: "OsPAA1, a distinct αl subunit gene for the 205 proteasome in rice (Oryza sativa L.)"Gene. 272. 19-23 (2001)
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[Publications] Sassa, H, et al.: "A pistil-specific thaumatin/PR 5-like protein gene of Japanese pear (Pyrus serotina) : sequence and promoter activity of the 5' region in transgenic tobacco"Plant Molecular Biology. (印刷中).