Research Abstract |
実験1 砂にそれぞれ体積比で,牛糞堆肥を20,40,60%,鶏糞堆肥を1,2,4%混合した培地に牛糞尿処理液(PLCM)を施用する区,砂のみの培地にPLCM,大塚ハウスA処方培養液を施用する区を設け、トマトを栽培した。その結果,牛糞堆肥を20〜60%混合した培地では生育,生産量は減少し,鶏糞堆肥1〜4%混合した培地では,生育は向上するが,混合量が多いと果実生産量は減少することが明らかとなった. 実験2 砂のみの培地に大塚ハウスA処方培養液,PLCMを施用する区(CNS区,PLCM),砂にそれぞれ体積比で,牛糞堆肥を8%混合した培地に大塚ハウスA処方培養液,PLCM施用する区(牛糞4C区,牛糞8C区,牛糞4P区,牛糞8P区)鶏糞堆肥を0.5,1,2,4%混合した培地にPLCMを施用する区(鶏糞0.5区,鶏糞1区,鶏糞2区,鶏糞4区)を設け、トマトを栽培した。その結果,牛糞堆肥4〜8%は生育に影響を及ぼすほどの割合ではなく,PLCMと牛糞堆肥との組み合わせに問題があると考えられた.鶏糞堆肥の添加は有効ではあるが,添加量が多いと窒素過多となるためか果実生産量は減少する傾向があった.したがって,0.5〜1.0%の混合割合が適当と考えられた. 実験3〜5 パーライトを培地とする底面給液栽培システムにおいて、牛糞尿処理液の濃度や施用開始時期を変えて葉菜類を栽培し、利用可能性を検討した(実験3,4>。さらに、葉菜類の土耕栽培における牛糞尿処理液の利用可能性を検討した(実験5)。その結果、土耕栽培では牛糞尿液の利用可能性は示唆されなかったが、牛糞尿液の施用開始時期を定植1週間目以降とすることで葉菜類の栽培に利用できる可能性が示唆された。これは、定植後しばらくの間市販培養液で栽培することにより、葉菜類の根が十分に活着し、牛糞尿液による生育抑制への耐性が大きくなったためと考えられる。
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