Research Abstract |
1.植物材料の収集 2000年8〜9月に英国での利用および流通の状況を調査し,農業短大の管理するOphiopogon属,Lilriope属,Reineckea属のナショナルコレクションを調査し,Ophiopogon属6種27品種,Lilriope属4種49品種の他,キチジョウソウ属1種1品種を確認し,形態写真を画像ファイルとして収録した。また,来年度に苗の交換を行うことを取り決めた。ナーセリーおよびガーデンセンターで6種・品種を購入した。国内でも,複数のナーセリーから在来種および品種,導入種および品種を購入し,原種,園芸種あわせて63系統を収集した。 2.主要種・品種群の類縁関係の整理 (1)染色体数の分析 上記コレクションの内37系統について,フローサイトメーターを用いDAPI染色による核DNA量の測定を行った。コムギ品種チクゴノイズミを内部標準品として用い,各々の植物の核DNA量をコムギを100とした相対量として表し,比較した。この結果,核DNAは,キチジョウソウ,コヤブラン,ヒメヤブラン,ジャノヒゲ,ヤブラン,ノシラン,オオバジャノヒゲの順で量が多いことが判った。またわが国に流通しているジャノヒゲ,ノシラン,オオバジャノヒゲ,ヤブラン,キチジョウソウの園芸品種は,その多くが基本種とほぼ同じ核DNA量を持つことが示された。さらに園芸品種'玉竜錦'はキメラ品種であると考えられた。一方,近年わが国に導入されヤブラン,ノシラン等の名前で流通しているいくつかの斑入りの園芸品種は,明らかに基本種と異なる核DNA量を示し,他種または交配種であることが示唆された。今後,調査植物種数を増やすと共に花や地下部の形態的特徴と対比することにより,正確なグルーピングが可能であると考えられた。 (2)形態観察および生育観察 原種および品種群の収集が秋以降となったために,生育調査は次年度開始とした。
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