2003 Fiscal Year Annual Research Report
食植性昆虫の寄主特異性機構(ウリ科食性甲虫を用いて)
Project/Area Number |
13660042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 一寛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00005662)
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Keywords | 寄主特異性 / ウリ科食性甲虫 / ウリ科 / 摂食刺激物質 |
Research Abstract |
本年度は、新にウリ科食性ハムシ、アトボシハムシが採集できたので、本種の寄主特異性を調査した。まずウリ科植物12種を用いて生葉に対する選好性試験をおこなった。最も摂食量の多かったのはアマチャヅルで以下ヒョウタン、キュウリ、キカラスウリと続いた。アマチャヅルとヒョウタンには統計的有意差がなく、この2種は寄主となり得ると判断された。 最も摂食量が多く、選好性が高いと考えられたアマチャヅルをメタノールで抽出し、摂食刺激物質の分離を試みた。メタノール抽出物をクロロホルム、n-ブタノールで分配したところ,クロロホルム分画に強い摂食刺激活性が認められた。この分画は溶媒系を変え、シリカゲルクロマトグラフィーを3度繰り返し精製を行った。得られた活性各分をTLCで展開し、掻き取りにより単一成分を得た。NMR, MS分析を行ったが、構造解析には至らなかった。この各分はスルホサリチル酸で褐紫に発色し、酸加水分解によりグルコースが認められることから,トリテルペン配糖体と推定された。 そこでアマチャヅルに含まれる同系統のジンセノサイドRb1及びRd、ソヤサポニンA, B, Merckサポニンの摂食刺激試験を行ったところ前4者には刺激活性が認められなかったが,後者に強い刺激活性が認められた。アマチャヅルはククルビタシンを含まない。従ってアトボシハムシがアマチャズルを摂食する際サポニン類を刺激物質としている可能性がある。
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Research Products
(1 results)