2002 Fiscal Year Annual Research Report
転移因子の活性化とイネいもち病菌の病原性変異の解析
Project/Area Number |
13660050
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中屋敷 均 神戸大学, 農学部, 助手 (50252804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 幸雄 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (20172158)
眞山 滋志 神戸大学, 農学部, 教授 (00112251)
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Keywords | いもち病菌 / レトロトランスポゾン / 病原性の変異 |
Research Abstract |
1.MAGGYプロモーターの欠失変異体の作製 イネいもち病菌ゲノムに存在するレトロトランスポゾンMAGGYのLTRプロモーターを解析する目的で、変異を与えたプロモーターとその下流にレポーターとしてGUS遺伝子を組み込んだプラスミドを作製した。各プラスミドをいもち病菌に導入し、熱ショックに対するプロモーターの応答性を解析した。その結果、プロモーターの存在するLTR領域を5'末端から約60塩基欠失させても、熱ショック応答性は保たれているが、90塩基欠失させると消失することが明らかになり、この領域に何らかのシスエレメントが存在する可能性が示唆された。この部位に、点突然変異を与えた変異体を作製し、有意にプロモーター活性に影響を与える配列の同定を試みたが、現在まだ厳密な配列の特定には至っていない。 2.GFPレポーターによるいもち菌の感染行動時のMAGGYプロモーター活性調査 GFPは非破壊的な観察が行えるレポーターであるため、いもち菌の感染行動時のMAGGYプロモーター活性を調査する目的でMAGGYプロモーターの下流にGFPを組み込んだコンストラクトを作製した。これをいもち病菌に導入することにより、緑色蛍光を発する形質転換体を得た。この菌の感染行動時におけるGFP蛍光の増減を調査した所、感染行動に特異的なMAGGYプロモーターの活性化は観察されなかった。 3.新規レトロトランスポゾンの単離 いもち病菌に変異を誘発するレトロトランスポゾンの新たな候補として新規因子Pyretを単離した。この因子はTy3/Gypsy型に属し、基本的にはそれに即した遺伝子構成を取っていたが、通常の因子にないWCCHドメインと命名された領域をgag遺伝子内に保有する特徴を持っていた。この領域の機能は、まだ明らかではないが、特徴的なアミノ配列から核酸との結合に関与していることが推察された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakayashiki et al.: "Methylation is not the main force repressing the retrotransposon MAGGY in Magnaporthe grisea"Nucleic Acids Research. 29. 1278-1284 (2001)
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[Publications] Ikeda et al.: "Heat shock, copper sulfate and oxidative stress activate the retrotransposon MAGGY resident in the plant pathogenic fungus Magnaporthe grisea"Molecular Genetics and Genomics. 266. 318-325 (2001)
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[Publications] Nakayashiki et al.: "Pyret, a Ty3/Gypsy retrotransposon in Magnaporthe grisea contains an extra domain between the nucleocapsid and protease domains"Nucleic Acids Research. 29. 4106-4113 (2001)