2001 Fiscal Year Annual Research Report
土壌微生物の多様性が特定微生物種の消長に与える影響とそのメカニズムの解析
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13660062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西山 雅也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50263801)
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Keywords | 土壌微生物集団構成 / 微生物多様性 / トマト青枯病 / 発病抑止土壌 / DGGE / 土壌微生物個生態学 |
Research Abstract |
特定の微生物種の消長と土壌微生物多様性との関係を明確に示すことを目的とし、対象系として、これまでに申請者が取り扱い、知見を蓄積してきたトマト青枯病系を用いた。まず、土壌微生物多様性の異なる土壌試料を16種類調整した。この際後の解析を容易にするために、微生物多様性以外の土壌因子ができるだけ同一になるような土壌試料を調整した。具体的には、基本とする土壌試料をクロロホルムで燻蒸処理し、ここに少量の有機資材を加え前培養することによって主に微生物多様性のみが異なる土壌試料を作成した。これら土壌試料に青枯病原菌を接種後トマト幼苗を移植し、発病試験を行ったところ、7土壌において発病し、9土壌では発病しなかった。各土壌試料で病原菌を接種せずに生育させたトマト植物について、根面および根内のDNAを抽出し、細菌の16Sリボソーム遺伝子をPCR反応にて増幅し、DGGE法により電気泳動した。得られたDNA泳動パターンをクラスター解析した結果、非発病型土壌試料と発病型土壌試料は異なる2つのクラスターに分けることができた。このことから、発病型土壌で生育した根ならびに非発病型土壌で生育した根はそれぞれ特徴的な細菌集団構造を有する可能性が考えられた。しかし、DGGEから得られるバンド数が多くなかったことから、細菌集団の多様性と発病性あるいは非発病性との関連については検討するに至らなかった。
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