2002 Fiscal Year Annual Research Report
アクティベーションタギングラインを用いたAl耐性遺伝子群の単離とその解析
Project/Area Number |
13660066
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江崎 文一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90243500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 英明 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80026418)
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Keywords | 形質転換体植物 / ストレス耐性 / Aluminum(アルミニウム)ストレス / 酸化ストレス / アクティベーションタギングライン / 耐性遺伝子 / 遺伝子操作 / Arabidopsis(シロイヌナズナ) |
Research Abstract |
シロイヌナズナのアクティベーションタギングラインからスクリーニングして16耐性株のAl耐性株が得られ、それらの株での染色体上へエンハンサータグの挿入数をサザンハイブリ法で確認たところ、多数の株で複数個の挿入が見られた。この中で1コピー挿入されたものが見つかった。その株は#355-2株で、挿入位置はTAIL-PCRの結果、第一染色体上であることが明かになった。以後、二の株に焦点をあてて解析を進めた。RT-PCRで挿入位置近傍のどの遺伝子の発現量が変化しているかを確認したところ、挿入位置のすぐ下流の2つの遺伝子(F9E10.5とF9E10.6)の発現量が野生型株に比べて上昇していた。DNAデータベースを検索した結果、F9E10.5はDNA glycosylaseであることが、またF9E10.5は機能未知の遺伝子であることがわかった。また、この株を形態観察してみると、根毛が野生型株に比べて短い(約1/3)ことがわかった。これらの遺伝子発現量が上昇することで、#355-2株では根毛の生育が抑制された可能性がある。ところでAl処理により野生型株と#355-2株の両者で根毛の形態変化が見られることから、根毛もAl毒性に関連することが示唆された。特に野生型株では健全に生育していた根毛のほとんどが顕著に阻害を受けており、Al未処理条件下でも生育が不良である#355-2株の根毛が受けたAl障害に比べるとその程度はさらに甚大であるように思われた。#355-2株では、根毛生育の抑制とAl吸収量との間で何らかの関連があり、その結果として耐性になった可能性がある。最終年度(H15)にはこの点を中心に研究を展開していく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takayuki Sasaki, Bunichi Ezaki, Hideaki Matsumoto: "A gene encoding multidrug resistance (MDR)-like protein is induced by aluminum and inhibitors of calcium flux in wheat"Plant Cell Physiology. 43(2). 177-185 (2002)
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[Publications] Bunichi Ezaki, Richard C.Gardner, Yuki Ezaki, Masako Kawamura, Hideaki Matsumoto: "Construction of Aluminum (Al) stress-resistant transgenic Arabidopsis plants using Al-induced genes"Biotechnology in sustainable biodiversity and food security. (in press).