2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660067
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 香川大学, 農学部, 助教授 (80260389)
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Keywords | 有機酸分泌 / 代謝 / アルミニウム耐性 / アニオンチャンネル / 根 / 分泌パターン |
Research Abstract |
根から有機酸の分泌はアルミニウム耐性機構の一つであり、本研究ではアルミニウム処理してから有機酸の分泌に至るまでの機構を解析した. 1.アルミニウム耐性の異なるライ小麦二系統を用いて、アルミニウムによる根の伸長阻害、有機酸分泌量、体内の有機酸の濃度およびクエン酸とリンゴ酸の合成に関わる酵素の活性を調べた.アルミニウムによって、根端の有機酸含量が増加したが、耐性系統と感受性系統との間に差が認められなかった.また四酵素活性に対するアルミニウムの影響はいずれの系統においてもなかった.^<31>P-NMRによる根端の細胞質と液胞のpHを測定した結果、アルミニウム処理による影響は見られなかった.これらのことはライ小麦において有機酸の代謝の改変がアルミニウムによる有機酸分泌への寄与が小さいことを示唆している. 2.スクリーニングで選抜したアルミニウム耐性の異なる21品種の大麦を用いて、オオムギにおけるアルミニウムの耐性機構を調べた.アルミニウムによってアルミニウム耐性品種の根からクエン酸が分泌され、クエン酸の分泌量とアルミニウム耐性との間に有意な正の相関が認められた。また分泌特性を調べた結果、クエン酸の分泌はアルミニウム処理後20分以内に起こり、低温やアニオンチャンネル阻害剤NIFによって阻害されることが明らかとなった.さらに、クエン酸の分泌量はアルミニウム処理濃度に依存しないことをつきとめた。これらの結果は大麦において今まで報告された分泌パターンと異なるパターンを有していることを示唆している.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shen, R.F., Ma, J F., Kyo, M., Iwashita, T.: "Compartmentation of aluminium in leaves of an Al-accumulator, Fagopyrum esculentum Moench"Planta. 215. 394-398 (2002)
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[Publications] Ma, J F., Shen, R., Zhao, Z., Wissuwa, M., Takeuchi, Ebitani, T., Yano M.: "Response of rice to Al stress and identification of quantitative trait loci for Al tolerance"Plant Cell Physiology. 43. 652-659 (2002)
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[Publications] Li, X.F., Ma, J.F., Matsumoto, H.: "Aluminum-induced secretion of both citrate and malate in rye"Plant and Soil. 242. 235-243 (2002)
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[Publications] 犬伏 和之, 平館 俊太郎, 桜井 克年, 川東 正幸, 馬 建鋒, 谷 昌幸, 岡崎 正則, 林 健太郎, 坂: "土壌酸性をめぐる研究の進展と今後の課題-レビューと課題の抽出-"日本土壌肥料学雑誌. 73. 575-583 (2002)
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[Publications] 阿江 教治, 小林 優, 桜井 直樹, 白石 友紀, 藤原 徹, 馬 建鋒, 間藤 徹: "アポプラストの機能と無機元素"日本土壌肥料学雑誌. 73. 827-832 (2002)