2001 Fiscal Year Annual Research Report
植物とエンドファイト(植物内在性微生物)の共生による有機合成除草剤の分解
Project/Area Number |
13660070
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小沢 隆司 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20152481)
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Keywords | エンドファイト / バイオレメデイエーション / 共生 / 除草剤 / シマジン / 根圏 / 環境修復 |
Research Abstract |
大阪府立大学付属農場の灰色低地畑土壌にシマジン(CAT)またはDCMUを0.1および1.5gm^<-2>ずつ3ヵ月ごとに1年間散布してCATおよびDCMU処理土壌をそれぞれ得た。イネ、トウモロコシ、トマト、ダイズ、およびミヤコグサをバーミキュライトに播種し、数日後の幼植物にCATまたはDCMU処理土壌の懸濁液を接種し、人工気象機内で栽培した。CAT、およびDCMU分解細菌は、各植物の根を乳鉢で磨砕して得た組織破砕液より分離した。分離には無機塩培地にCATまたはDCMUと、グルコースおよび酵母エキスを添加した培地を使用した。分離菌の除草剤分解能の確認は、各除草剤を唯一の窒素源とした培地で培養したのち、培養液中の除草剤量の減少量をHPLCにより定量して行った。 これまでに、イネ、トウモロコシ、およびダイズの根より得た細菌のうち、それぞれ4株、4株、および6株に高いCAT分解活性が認められた。これらの菌株は16S rDNA部分塩基配列と生理的諸性質から、Rhizobium sp.、Mesorhizobium sp.、Bradyrhizobium japonicum、Sphingomonas sp.、およびAgrobacterium radiobacterに属すると推定された。これまでのところDCMU分解菌は得られていない。 ダイズ(品種;エンレイ)の種子をEMS処理して得られた根粒超着性変異体(En6500)を用いてCAT分解根粒菌の接種効果を調べた。CAT分解活性の高い根粒菌を接種して根粒を形成したEn6500は、根粒菌を接種せずにKNO_3を窒素源として生育したものに比べCAT耐性が増大した。また、水耕培養液中のCAT量は根粒菌の接種によって大きく減少した。
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