2002 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御系の変化の解析に基づく芳香族化合物代謝系オペロン造成機構の解明
Project/Area Number |
13660080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野尻 秀昭 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (90272468)
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Keywords | 転写制御 / オペロン / car遺伝子群 / Pseudomonas / 芳香族化合物分解系 / 進化 / ダイオキシン / カルバゾール |
Research Abstract |
1、Pseudomonas resinovorans CA10株のcar遺伝子群の転写機構の解明 car遺伝子群([ORF9]carAaAaBaBbCAcAdD)は、ORF9上流に存在するアントラニル酸誘導性antプロモーターと、carAa直上流のcarAaプロモーターから転写される。レポータージーンアッセイにより、ORF9上流にantプロモーターが存在した場合、カルバゾール生育時においてcar遺伝子群の発現量が約3倍程増大することが示された。また、経時的な発現解析から、carAaプロモーターからは構成的に発現することが示された。また、carAaプロモーターはcarAa開始コドン上流309〜492bpに存在することも明らかとなった。 2、他のcar遺伝子群様遺伝子群における転写様式 Janthinobacterium sp. J3株のcar遺伝子群の上流逆向きにGntR familyの転写因子をコードするcarRが見出された。CA10株の場合との比較から、元々CarRによる制御を受けていたcar遺伝子群に、antプロモーターを含む領域が転移したことにより、新たな転写制御機構が構築されたことが予想された。一方、J3株のCarRはSphingomonas sp. KA1株のcar遺伝子群中にコードされるCarRとは37%の同一性がある一方、carAa-carR間の遺伝子配列が大きく異なっており、オペレーターへのCarRの親和性が異なっている可能性が示唆された。 3、選択圧がダイオキシン・カルバゾール分解系遺伝子群の構造と転写様式の変化に及ぼす影響の解析 昨年度に引き続きレポーター遺伝子car遺伝子群内に挿入した変異体作成を行うとともに、栄養培地、無機培地を用いてケモスタット装置によりCA10株などを培養する際の培養条件の検討を行った。
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