2001 Fiscal Year Annual Research Report
胞子形成細菌における発芽カスケード反応の分子論的解析
Project/Area Number |
13660085
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧野 志雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80000842)
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Keywords | 細菌胞子 / 発芽 / コルテックス分解酵素 / コルテックス構造 |
Research Abstract |
細菌胞子発芽機構の解明に向けて、発芽の主要な生化学的事象である細菌胞子ペプチドグリカン(胞子コルテックス)分解をつかさどるコルテックス分解酵素の活性化機構をC.perfringens胞子の分解酵素SleCにおいて明らかにした。SleCは、プレプロ領域を持つ4つのドメイン構造からなる前駆体として胞子形成III期に合成され、胞子形成IV期からVI期にかけてプレプロ体のN-末端プレ領域およびC-末端プロ領域が順次にプロセシングされ、N-末端プロ領域をもつ不活性前駆体として休眠胞子の胞子殻とコルテックス層との間隙に存在することを示し、さらにその前駆体のN-末端プロ領域を切断し活性化する発芽特異的プロテアーゼGSPを同定し、その遺伝子構造並びに生化学的特性を明らかにした。GSPは胞子発芽時に活性化するセリンプロテアーゼであり、胞子コルテックス外縁部に局在していた。またN-末端プレ領域はSleCの構造形成に必須な分子内シャペロンであった。発芽時のコルテックスの分解は、まずSleCが胞子コルテックスの架橋構造を破壊してコルテックスを断片化し、その後、ムラミダーゼであるSleMがコルテックス断片をムロペプチドまで分解する機構を明らかにした。SleCによるコルテックス分解時に胞子発芽の巨視的事象である胞子の黒化とDPAの遊離を伴うことも明らかにした。さらにC.perfringensのコルテックス構造はBacillus属のそれとは異なりアラニン側鎖を持たないこと、架橋度が著しく低いことなども解明し、これまで想定されてきた胞子のコルテックス構造や発芽機構は種普遍的なものではなく種特異性の存在を明らかにした。
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Research Products
(1 results)