2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660112
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
福澤 晃夫 北海道東海大学, 工学部, 教授 (60094843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敦 北海道東海大学, 工学部, 講師 (80205898)
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Keywords | ジャガイモシストセンチュウ / 孵化促進物質 / 孵化協働因子 / 線虫 / nematode / cyst / Globodera |
Research Abstract |
ジャガイモシスト線虫は、農業上重要な病害害虫である。雌は秋にシスト化し、卵内2齢幼虫は20年もの間休眠可能なため、通常の農薬による防除は困難である。そこで寄主植物由来の、線虫に対する生理活性物質をまず明らかにし、これを逆手に用いて防除する、生態的農薬の開発を目的に研究を行った。 研究試料として温室にてトマトを水耕栽培しその水耕液を採取した。その後規模を拡大するため、農家の圃場で栽培しているトマト水耕液を購入した。含まれる生理活性有機化合物を活性炭に吸着させた。活性炭4.5Kgに2週間吸着させ、エタノールで脱着し、濃縮すると約10gの活性物質を得、租原料とした。孵化活性値は10^<-6>g/mlであった。この活性物質を室温に放置すると10^<-4>g/mlに孵化活牲が低下した。続いて租原料を溶媒分配するためにまず水と酢酸エチルにて分配し、次いでブタノールで抽出して、3種類の成分に分けた。酢酸エチル層、ブタノール層、水糟を濃縮しそれぞれ2g、6g、2g程度の物質 が得られる。孵化促進活性はブタノール層に、孵化阻害活性は酢酸エチル層に存在した。水糟にはどちらの活性も見出されなかった。 一方、失活した物質に、新鮮なトマト水耕液を標準孵化液として加えた孵化阻害を調べる生物検定を行うと、標準孵化液そのものの孵化率より.孵化率がかなり高くなる場合がある。これは新鮮な水耕液に孵化を助ける未知の活性物質があることを示している。そこでこの活性物質を孵化協働因子と名付け、どのような性質を持つのか調べた。この結果、孵化協働因子は、放置すると水耕液中で不溶牲物質となって系外に除かれることが明らかとなり、孵化促進作用解明に大きく前進した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 福澤晃夫, 佐膝敦, 西村弘行, 山田英一: "トマト根浸出物のジャガイモシストセンチュウに対する孵化阻害と共同因子"日本線虫学会誌. 31・1/2. 59-59 (2002)