2002 Fiscal Year Annual Research Report
セリ科野菜に含まれるキノンレダクターゼ誘導成分による細胞の酸化傷害の抑制
Project/Area Number |
13660116
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
宇田 靖 宇都宮大学, 農学部, 教授 (80091940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 啓 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (10237935)
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Keywords | アシタバ / セリ科野菜 / Hep G2 / キノンレダクターゼ / カルコン誘導体 |
Research Abstract |
セリ科野菜の中でもQR誘導活性が高いアシタバから有効成分の単離精製を試みた。アシタバの凍結乾燥物を80%メタノールで抽出後、酢酸エチル可溶部を得た。これをシリカゲルカラムにより分画(ヘキサン/酢酸エチル混合液【3:1,1:1,1:3】で溶出)した。このうち、ヒト肝由来培養細胞株Hep G2において有意にQR活性を誘導する画分(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)についてさらに成分検索を行った。この画分にはHep G2細胞に対する致死性を有する成分も混在することがわかったので、これらを別々に分離する条件を検討した。その結果、この画分をSeo-pakC18カラムによりアセトニトリル/水混合液で溶出すると、50%アセトニトリル溶出部にQR誘導成分が、また、100%アセトニトリル溶出部に細胞致死性成分が得られた。QR誘導活性成分をC30-逆相HPLCで分析したところ、誘導活性は主に2つのリテンションタイムの極めて接近した成分によることがわかった。次に、QLR誘導成分のHPLC/MS分析(カラム:Develosil C30-UG-5、移動相:50%アセトニトリル、流速:0.2mL/min、Cone Vol.30V、Negative mode)を行った結果、活性画分中の主成分は、フラボノールの一種であるルテオリン(M^+286)と推定されるアグリコンを有する分子量646の物質と推察された。一方、細胞致死性成分は、同じくHPLC/MS分析の結果、これまで、アシタバの根の成分として報告されているカルコン誘導体、すなわち、4ヒドロキシデリシン[3'-(γ,γ-Dimethylallyl)-2',4-dihydroxy-4'-methoxychalcone]であることが強く示唆された。本化合物は、アシタバ以外のミツバ、パセリ、セリなどセリ科野菜に共通して含まれていた。これらの細胞酸化障害との関係はなお今後検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)