2002 Fiscal Year Annual Research Report
クロレラ耐凍性関連遺伝子導入による耐凍性植物の作出に関する研究
Project/Area Number |
13660127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本城 賢一 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (00264101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敬久 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (70190816)
飯尾 雅嘉 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40038279)
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Keywords | 脂肪酸不飽和化酵素 / クロレラ / グルコース6-リン酸脱水素酵素 / タバコ / hiC6 / 耐凍性 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に作製したグルコース6-リン酸脱水素酵素(G6PDH)遺伝子を導入した形質転換タバコの耐凍性について調べた.G6PDH遺伝子導入株については得られた形質転換タバコ10株についてサザンプロッティング,G6PDH活性および活性染色を行い,G6PDH活性の最も高かった株(野生株の約16倍にG6PDH活性が上昇)を用いて行い,凍結融解前後の電解質漏出度を調べることにより評価した.その結果,耐凍性の向上は認められず,耐凍性向上には本遺伝子単独の導入では不十分であることが明らかになった. つぎに,膜脂質の脂肪酸不飽和化酵素(Δ12 fatty acid desaturase)遺伝子のタバコへの導入を行った,得られた形質転換株8株について,サザンブロッティング,ノーザンブロッティング,および脂肪酸組成の分析を行い,最も脂肪酸の不飽和化が進んだ形質転換株を用いて,耐凍性試験を行った.その結果,本形質転換株の耐凍性は,有意差は認められなかったものの,野生株と比べ耐凍性がわずかながら上昇していることが確認された.この結果を前年度に行った実験結果と照らし合わせると,耐凍性獲得には18:3脂肪酸の上昇よりもむしろ18:0脂肪酸の減少が耐凍性には重要である可能性を示す結果となった. つぎに,g6pdh遺伝子(プロモーターおよびターミネーター領域を含む)をクロレラの耐凍性関連遺伝子であるhiC6遺伝子と同時にタバコに導入を試みた.hiC6遺伝子により耐凍性が向上することは既に報告済みであるが,実用レベルの耐凍性向上を目指し,複数遺伝子同時導入を試みたものであり,現在,形質転換株を得ている.これらの形質転換株について耐凍性の評価を行っている。また,hiC6,g6pdhに加え,Δ12fad遺伝子を同時に発現させる株についても作製中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suga, K. et al.: "Two low-temperature-inducible Chlorella genes for Δ12 and ω-3 acid desaturase (FAD): Isolation of Δ12 and ω-3 fad cDNA clones, expression of Δ12 fad in Saccharomyces cerevisiae, and expression of ω-3 fad in Nicotiana tabacum"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 66・6. 1314-1327 (2002)
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[Publications] Shimizu, H. et al.: "Freezing tolerance of transgenic tobacco with increased content of unsaturated fatty acid by expressing the CvFad2 or CvFad3 gene"J. Fac. Agr., Kyushu Univ.. 47・2(印刷中). (2003)