2001 Fiscal Year Annual Research Report
食餌タンパクによる酸性ステロイド包接(分子認識)と抗腫瘍食品モデリング
Project/Area Number |
13660132
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
岩見 公和 京都府立大学, 農学部, 教授 (00026569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 徹 京都府立大学, 農学部, 助手 (00275190)
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Keywords | レジスタントプロテイン / 胆汁酸包接 / 分子認識 / 親和標識 / 抗腫瘍食品 / 平衡透析 |
Research Abstract |
分離大豆タンパク質(SPI)を微生物酵素で処理した後に残る不溶性高分子画分(high-molecular-weight fraction, HMF)は、およそ25%の食物繊維類似の難消化残渣を含む。これを消化抵抗性のタンパク質、すなわち"レジスタントプロテイン(RP)"という。RPは或種の胆汁酸を選択的に捕捉する。今般RPの胆汁酸捕捉能について検討を加えた。HMFに充分なペプシン-パンクレアチン消化を施し、RPを調製した。RPの胆汁酸捕捉能は、平衡透析法によって市販のアッセイキットを用いて求めた透析膜を隔てた両室の遊離胆汁酸濃度差から算出した。また、放射性胆汁酸を用いて、そのRP捕捉の各種胆汁酸による阻害を調べた。 その結果、(a)20%SPI(+7%セルロース)、(b)27%HMF、(c)20%SPI(+7%RP)から成るコレステロール添加食で幼ラットを飼育して糞中ステロイド排泄量を測ったところ、胆汁酸排泄量は(a)より(b)や(c)両群で有意に高く、コレステロール排泄量は(a)<(b)<(c)となった。このことは、RPが腸腔で胆汁酸を捕捉してミセル形成を妨げコレステロールの吸収低下をもたらすことを示唆している。平衡透析実験より、RPはデオキシコール酸やケノデオキシコール酸に比べて、アミノ酸抱合体やコール酸あるいはウルソデオキシコール酸を殆ど捕捉しないことがわかった。それら胆汁酸に対するRPの特異性を[^<14>C]ケノデオキシコールを用いる競合実験によって確かめた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岩見公和: "レジスタントプロテインの機能性とその応用"ジャパンフードサイエンス. 40・12. 40-44 (2001)
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[Publications] 加藤範久, 岩見公和: "Resistant protein ; its existence and function beneficial to health"J. Nutr. Sci. Vitaminol.. 48・1. 1-5 (2002)
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[Publications] 佐伯 徹 他4名: "Effects of Cys mutation on taurocholic acid transport by mouse ileal and hepatic sodium-dependent bile acid transporters"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 66(印刷中). (2002)
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[Publications] 佐伯 徹 他3名: "Characterization of cloned mouse Na^+/taurocholate cotransporting peptide by transient expression in COS-7 cells"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 66(印刷中). (2002)