2001 Fiscal Year Annual Research Report
森林における樹洞棲コウモリのねぐら選択性に関する研究
Project/Area Number |
13660138
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上條 隆志 筑波大学, 農林学系, 講師 (10301079)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 さち子 特定非営利活動法人東洋蝙蝠研究所, 研究部, 研究員
|
Keywords | 森林 / コウモリ / ねぐら / ヒメホオヒゲコウモリ / 日光 / 自然林 / テレメトリー / 発信器 |
Research Abstract |
栃木県日光市において,2001年8月1日から6日にコウモリ類の捕獲およびねぐら木探索調査を行った.また,8月3日から7日および11月21日にねぐら木の調査を実施した.ヒメホオヒゲコウモリの成獣オス2頭,メス2頭の計4頭に発信機を装着し追跡を行った.発信機装着個体のうち3個体は,複数のねぐら木ないしねぐら木があると推察される地点を利用しているのが確認された.1日のねぐらの移動距離は,0m(移動なし),40m,80m,160m,290mであった.3日間追跡できた2個体については,合計移動距離は,40mと450mであった. 発信機個体の追跡および出巣時の観察によりねぐら木6本を特定することができた.ねぐら木として利用されていた樹種は,ハルニレ1本,カラマツ2本,ダケカンバ1本,シラカンバ1本,ミズナラ1本であった.ねぐら木6本のうち,3本は樹皮が浮いた状態の立枯れ木であった.DBHについて比較すると,生立木では56.2cm,60.2cm,110.5cm,立枯れ木では35.3cm,42.1cm,82.2cmであった.ねぐら木6本のうち,5本はギャップに関係する木であった.ねぐら木6本のうち,ねぐらとして利用されていた部位が確認できたのは1例で樹皮の下である.この他2本のねぐら木では出巣を目視により確認できたが,飛び立った部位周辺では目立った樹洞がなく,ねぐら木のどの部位がねぐらとして利用されているのか確認できなかった.
|