2002 Fiscal Year Annual Research Report
耐乾性ゴム植物の再分化系の確立と遺伝子組換え個体の作出
Project/Area Number |
13660148
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
玉泉 幸一郎 九州大学, 農学研究院, 助教授 (80205062)
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Keywords | ゴム産生植物 / Periploca sepium / 遺伝子組換え / 木本植物 / GFP遺伝子 |
Research Abstract |
中国産のゴム産生植物であるPeriploca sepiumの無菌クローン苗の茎を材料として,アグロバクテリウム法による遺伝子組換えを試みた.使用したプラスミドベクターは,カナマイシン耐性遺伝子(NPT II),ハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT),GFP遺伝子が構築されたpBIsGFP(S65T),pBsGFP(S65T)で,A. tumefaciens3菌株はEHA105であった.ペリプロカの茎にアグラバクテリウムを感染させ,カルベニシリンとハイグロマイシンの選抜培地で生育させた.2週間後に抗生物質フリーとした培地で定期的に植え替え,植物体を再生させた.培地はすべてMS培地を基本とした.再生した植物体は蛍光実体顕微鏡により,蛍光の有無を確認した後,蛍光を発する個体のみを増殖させた.これらの個体は成長した後,PCR分析とWestern分析に供した.この結果,PCR分析においては,ペリプロカの形質転換体のすべてに目的増幅断片が確認された.Western分析においてもペリプロカ形質転換体にGFPのバンドが検出された.これらの結果から,ペリプロカの遺伝子組換えがアグロバクテリウム法で確実に行えることが明らかになった.本研究により,ペリプロカの形質転換系が確立されたことから,今後は,このペリプロカをポリイソプレン生合成機構解明に向けたモデル植物として利用することが可能となった.
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