強化ナイロン樹脂を接合部に用いた木造新工法の開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13660162
• Research Institution: Mie University
• Principal Investigator: 徳田 迪夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50012018)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 内迫 貴幸 三重大学, 生物資源学部, 助手 (80232841)
• Keywords: 強化ナイロン樹脂 / せん断性能 / 両振れ繰返し / 衝撃特性

Research Abstract

継手、仕口の部分に特殊な接合金物を使用して、枠組壁工法のように部材同士を突きつけて接合部を構成する合理化システムが各種実用化されている。鉄製の接合金物の欠点を解消するために、軽量で強度のある繊維強化ナイロン樹脂接合具の開発を考えた。強化ナイロン製接合具として、木造軸組工法の部材同士の接合として最も多く現れる柱-梁および梁-梁接合部を取り上げた。本年度は強化ナイロン接合部の両振れせん断特性と衝撃試験を行い、次の新たな知見が得られた。
1)ドリフトピン接合部に押し引きの両振れせん断力が加わった場合、ナイロンプレートと鉄プレートを比較すると、後者は初期剛性が単調加力の場合より低下し、ナイロンとの差が小さくなった。降伏耐力レベルの両振れ荷重を多数回受けても接合部に破壊は見られず、大地震でも崩壊しないことが確かめられた。
2)衝撃試験において、ナイロン接合部はプレカット接合部に比べて低い衝撃エネルギーレベルで破壊に達した。しかしナイロンプレート自体の破壊は生じなかった。従ってドリフトピンを用いた接合部特有の現象であって、鉄板接合部であっても、同様にプレカットよりも脆性的な破壊が起きたと考えられる。衝撃力に関しても実用上問題はないと考えられる。