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2003 Fiscal Year Annual Research Report

ハンドウイルカ個体固有鳴音の社会行動における役割

Research Project

Project/Area Number 13660187
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

竹村 暘  長崎大学, 水産学部, 教授 (70039725)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小井土 隆  長崎大学, 水産学部, 講師 (20215164)
Keywordsシグネチャーホイッスル / 群 / 音声交信 / 個体識別
Research Abstract

ハンドウイルカのホイッスルは1秒以下の短い単純な音であり、類似したホイッスルが多く観察されている。また、個々の個体のシグネチャーホイッスルにもいくつかのタイプがあること明らかになった。これまで調査した個体では4・5種類から10種以上のタイプがあることが分かっている。しかし、これらのタイプによる変動は限られており、前年度の報告に示した範囲を超えるものは観察されなかった。そこで、これらのタイプの相違による他個体のシグネチャーホイッスルとの混同の危険性も調査されたが、これまでの調査個体間では混同は起こっていないことが明らかになった。
調査を開始して9年になるが、いまだに当初のシグネチャーホイッスルが観測され、高い恒常性が維持されている。個体のシグネチャーホイッスルとの識別についても水族館飼育の個体で検討してきたが、個々の発生音の音響特性を考慮することによって容易に行うことが出来ることが明かになってきた。
2000年に天草の調査海域を離れなかった個体は2003年にもこの海域に留まっており、このグループのシグネチャーホイッスル数の減少もみられなかった。すなわち、グループの構成個体がほとんど変化していないことが示唆されている。しかし、2003年にはこの海域に生息する全個体数を示すと考えられるシグネチャーホイッスルの総数が前年以前の半数近くに減少しており、個体がこの海域を離れたことを伺わせた。ところが、2000年群の減少がみられていないことから、移動が個体ごとに行われるのではなくグループごとに行われていたことが示唆される。
また、シグネチャーホイッスルに対するほとんどの応答が0.5〜1.5秒後に行われるとともに、ベーシックホイッスルではなくシグネチャーホイッスルによって行われていた。すなわち、頻繁に発せられている鳴音が他個体への素早い対応であり、応答の意味が強いことが明らかになった。このような応答が個体間相互で行われる「交信」も観察された。また、この応答が自身のグループに対するよりは他のグループに対して1.3倍以上行われており、社会構造の維持に利用されていることが伺われた。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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