2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 勝子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30092381)
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Keywords | アラニンアミノトランスフェラーゼ / アラニンーケト酸アミノトランスフェラーゼ / D-アラニン / L-アラニン / アラニンラセマーゼ / 腹足類 / 水棲動物 |
Research Abstract |
申請者は水生動物おけるD-アラニンの分布とアラニンラセマーゼ活性の存否を調べ、軟体動物の巻貝および二枚貝などD-アラニンの多い種ではD→LおよびL→D両方向の活性があり、イカ・タコ類、魚類などD・アラニンがほとんど検出されない種ではD→Lの一方向の活性があることを認めた。この結果に着目し、本研究ではL-アラニン合成能とD-アラニン蓄積能との関連を調べようと考えた。 1.すでに、アラニンラセマーゼ活性の測定法を確立しているので、アラニン合成能の測定法を検討し、次の結果を得た。 (1)アラニンアミノトランスフェラーゼ活性の測定:グルタミン酸とピルビン酸を基質として反応させ、生成するL-アラニンをOPAとN-アセチルL-システインでラベルしてODSカラムを用いたHPLCで測定することにより可能となった。 (2)アラニンーケト酸アミノトランスフェラーゼ活性の測定:セリンとピルビン酸を基質として反応させ、生成するL一アラニンを(1)と同様にHPLCで測定することにより可能となった。 (3)アラニン以外のアミノ酸についてもD型の測定が必要となるので、全タンパク質構成アミノ酸のDおよびL型の分離を試み、アミノ酸をOPAとN-イソブチルL-システインでラベルし、HPLCを用いることにより測定することに成功した。 2.1の(1)および(2)のいずれにおいてもアラニンラセマーゼが存在する場合、HPLC法でその存在を確認することが可能であり、種々の基質濃度で実験を繰り返すことによりL一アラニン合成能とラセマーゼ活性の相対的な動態を把握することができる。現在、腹足類のD-アラニンが多い種やほとんど検出されない種について組織別に素酵素液を抽出し、上記酵素活性を調べている。
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