2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 迪子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70092202)
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Keywords | キチン分解酵素 / 養殖魚 / マダイ / キチナーゼ / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
(1)種苗生産したマダイ仔魚に10%キチン添加飼料を与え、飼育実験を行った結果、添加区は無添加区に比べ有意に成長が良かった。 (2)マダイ成魚の組織別キチン分解酵素活性を測定したところ、エンド型キチン分解酵素(キチナーゼ)は胃に、またエキソ型キチン分解酵素(β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ)は幽門垂と腸に特に強い活性を示した。 (3)マダイ2年魚の胃よりキチナーゼを精製・単離した。本酵素はSDS-PAGEで単一のバンドを示し、分子量は44、000、等電点は8.3、最適pHは5.5であった。 (4)単離したマダイ胃キチナーゼに対する抗体をウサギを用いて作製した。 (5)マダイ、クロダイおよびブリの各組識の抽出液をSDS-PAGE後、ウェスタンブロッティングに付し酵素免疫測定法によってキチナーゼの生体内での局在を調べたところ、マダイおよびクロダイでは胃、脾臓、腎臓に検出されたが、幽門垂および腸には検出されなかった。ブリでは胃に僅かに検出されたのみであった。 (6)マダイの発生に伴うキチナーゼの出現動態を免疫組織化学法によって調べた。孵化後2日目から60日目まで定期的に仔・稚魚を採取し、ブアン液で固定しパラプラスト切片を作製した。免疫陽性反応は孵化後3日目から腸に観察された。孵化後3から24日目までは消化管の胃はまだ未分化であった。孵化後46日目には免疫陽性反応は胃に観察され、腸にはみられなくなった。このことは消化器系の発達に伴い、消化酵素としてのキチナーゼの作用器官が変化したと考えられる。
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Research Products
(1 results)