2002 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットを利用した環境保全型農業生産情報の公開システムに関する研究
Project/Area Number |
13660218
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
波夛野 豪 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30249370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 学 ユニバーサルデザイン総合研究所, 代表取締役所長(研究職)
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Keywords | 環境保全型農業 / 有機農業 / 情報公開システム / インターネット / トレーサビリティ |
Research Abstract |
研究二年目に当たる今年度は各地で実践されつつある生産情報公開とトレーサビリティシステムの調査によって、情報の管理・表示面ではさまざまな対策が行なわれ始めているが、その多くは消費の現場から離れたところで、パソコンで検索する仕組みとなっており、日常の物理空間と情報空間が分離する結果となっている現状が明らかとなった。 この分離の解消のために売り場ごとに特別な端末を設けることは、言うまでもなく非効率であるが、一方で、携帯電話はインターネットのモバイル端末として、パソコン以上の普及を見せている。尾道ケータイ観光ナビ「どこでも博物館」では、環境保全型の圃場や食品加工工場、有機食材を販売するアンテナショップやバザールに商品コードを発行し、そのコード番号をケータイに打込むことによって、トレーサビリティ情報だけではなく、生産者の顔や心意気、もっと"属人性"をもった農業生産の物語を、文字どおり「モノ語り」としてモノや食材自身に語らせるような仕組みが可能になるとの示唆が得られた。 現在最も普及している表示メディアである紙の認証タグは、印刷・貼り付け等のコストが発生し、情報量も限られる。何より簡単に情報の修正や更新を行うことができないが、携帯を通じて常に情報が更新可能となるシステムは、つねに生きた情報を発信したい生産者にとっても、食の信頼性や履歴に関心のある生活者にとっても有効である。生産情報の公開はモノの「来し方」を、トレーサビリティシステムの目的は払われたお金の「行く末」を知るということであり、このシステムによって消費行動が生産とダイレクトにつながった「リアルタイム」で「共感的」なものに発展していくならば、購買によって生産者を支援するという消費行動の社会潮流を促進することが考えられる。この視点において、最終年度に当たる次年度の本研究の取りまめに通しを得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 波夛野豪: "循環システムと農業経営主体"農業経営研究. 39・4. 58-59 (2002)
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[Publications] 波夛野豪: "地域通貨を利用した農産物取引の可能性"農業経営研究. 40・4. 73-75 (2003)
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[Publications] 赤池 学: "ほんとうのたべものを求めて"日経BP社. 326 (2002)